第545回
ラーメンの味付けはヒミツです

いま台湾の若者たちに広く受け入れられている日本料理は
ラーメンと焼肉です。
ラーメンはもともと中国のものだし、
焼肉は韓国の食べ物です。
それが日本料理だと言ったら、
びっくりする人が多いかもしれませんが、
2つとも日本へ渡来して
日本人によって味つけから具まで改良され、
中国の湯麺とも韓国の焼肉とも
違ったものになってしまったのです。
日本と最も親近感のある台湾に行くと、
その違いがよくわかります。

いま台湾で一番ハヤっているラーメン屋さんのご主人に
私に道案内されて台湾入りをした日本人の人がいます。
はじめは美容院の経営からスタートしたのですが、
喫茶店や焼鳥屋と職業を変えて
最終的にはラーメン屋に落着きました。
ラーメン屋がブームになりそうなのを見て、
博多まで修行に行って、
スープの作り方まで伝授してもらい、
それを売り物にして売り出したら大当たりに当って
長蛇の列ができました。

ハヤるとなると、すぐ真似する人が現われるし、
秘伝を盗むためにはどんな苦労も惜しまないのが
中国人の伝統です。
それを怖れてスープの作り方は
本人と奥さんだけの秘密にして、
毎日、自分の家でつくって
タクシーで2軒の店まで運んでいるそうです。
おかげで外部に秘密がもれずに
盛況をきわめているそうですが、
そんなやり方では大きくはなれないでしょうね。
でも人それぞれの器があり、
それぞれのやり方がありますから、
それも1つの生き方ではあります。

なぜそういう日本式ラーメンが
中国人の間でハヤるかというと、
台湾の人をはじめ、アジア全体に
日本人に対する畏敬の念とあこがれがあるからです。
また生活レベルの向上と共に、
味覚にも革命が起っているからです。

そのために日本風の淡泊な味付けが
受け入れられるようになり、
スシやトンカツだけでなく、ラーメンも焼肉も
日本風の食べ物として受け入れられるようになるのです。
これこそ日本の新しい文化と言ってよいでしょう。


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2001年9月6日(木)

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