第487回
中関村は中国のシリコン・バレーです

人々が多いと、それに比例して
メシを食わせなければならない人もふえますが、
メシを食うために働く人もふえます。
人はそれぞれ一長一短ありますから、
人々の多い分だけそれぞれの長所を持った人も
短所を持った人もたくさんいるということになります。
単純労働に向いた手足だけが多いわけではありません。

人が100人いればその中には人の長になる人もおれば、
お医者にしたらいい人もあれば、
物をつくらせたらかなう人がいないという
器用な人もおります。
14億人も人口があれば、IT関係の仕事をやらせたら
その天分を発揮できる人も、
またバイオテクノロージーをやらせたら、
人も驚く発想のできる人もたくさんいるということです。
オリンピックの金メダルをもらう人が多いのと
同じリクツですね。

そういう可能性に世界中のIT業界のトップの人たちも
気がついているに違いありません。
中国とインドはいま世界で人口の多い国の
ナンバーワンとナンバーツーですが、
先端産業の後発国であるこの2つの国がもしかしたら、
IT産業のチャンピオンになるのではないかと
世界の注目を浴びています。
「ICとはインドとチャイナという意味ですよ」
と言うと、皆がドッと笑いますが、
少し事情を知った人なら誰でも
そのことに気づいているということでしょう。

北京市の北西部に北京大学と清華大学が
隣り合わせに位置していますが、
そのまた隣りの中関村というところに
中国のシリコン・バレーができています。
私も何回か、
その中のソフトの研究所の見学に行きましたが、
いまアメリカをはじめ、
世界中の主だったコンピュータ・メーカーが
所狭しとばかりに研究所をこの一角につくっています。
人口から見たら一握りの人材でしょうが、
その人たちを集めただけでも
日本の10倍はいる勘定になります。
北京に行ったら、ついでに足をのばして
中関村をのぞきに行くことをおすすめします。


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2001年7月10日(火)

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