第477回
好奇心は年齢と関係ありません

私には好奇心の塊まりみたいなところがあります。
自分の知らなかったことで、
知りたいと思ったことがあると、
もう矢も楯もたまらなくなってしまうのです。
年齢とはあまり関係がありません。
この歳になっても少しも変わらないのですから。

インターネットとかかわりがあるようになったのも、
その１つです。
コンピューターが大型から小型になって、
通信用に使われるようになっても
私はそれほど関心を持ちませんでした。
コンピュータは記憶装置の一種で、
私が自分の頭の中に持っている記憶装置よりも
容量が大きくて性能もよいかも知れないが、
「どちらにしようか、梅の花」
と判断して最終的な意志決定をするのは
人間の頭脳でないとできないと思ったからです。

たとえば、参考資料を山のように見せられても、
どの株を買うかを決定するのは自分です。
いくら説得されても、
最後にどうするかを決めるのは自分自身です。
となると、山のような情報は
判断の参考になる面もありますが、
迷いを生ずる原因にもなります。
そういった意味では、コンピュータなんかなくても
さして不自由しないし、
今後、コンピュータが普及することは間違いないとしても、
自分が死んでからあとのことだと思っていたのです。

ところが、死ぬ積りの自分がなかなか死なないのと、
コンピュータの成長と普及のスピードがあまりにも早くて、
あッという間に追いつかれてしまったので、
とうとうインターネットとかかわりがあるように
なってしまいました。
私が糸井重里さんに
ホーム・ページのつくり方について質問をして、
イトイ新聞に執筆することを決めるのに
15分間とかからなかったと糸井さんも書いていますが、
決心するのも早ければ、
一旦決心したら実行に移すのも電光石火です。
この連載も今回で477回目だし、
既に単行本にして４冊分の分量に達してしまいました。
僅か１年半ですが、
この間に私はたくさんのことを勉強させていただきました。
とても感謝しています。