第344回
江戸っ児は3代続かないと言うでしょう
東京で大きく成功した人で東京生まれの人は
ほとんどおりません。
大阪商人を代表する松下幸之助だって大阪の人ではなくて
すぐお隣りの和歌山県から丁稚奉公に出てきた人です。
「江戸っ児は3代続かない」と言うでしょう。
都会に生まれ、都会に育つと、
都会慣れして都会生活で固定観念ができてしまいます。
それを変えるのは容易ではありませんから、
発想の転換はなかなかできません。
それは田舎育ちでも同じですが、
自分の育った田舎ではなかなかメシの食えない人は
すぐよそへ出稼ぎにに行きます。
環境が違うと、田舎にいた時の固定観念がそのままでは
通用しなくなります。
いやでも考え方を変えるよりほかありません。
それが新しい飛躍の出発点になるのです。
自分の生まれ故郷で成功できないことは
前にも申し上げました。
隣りの町に行くか、隣りの県に行くか、
でなければいつも東京や大阪のような大都会に出て、
知らない人の中でもまれると
生き残ろうとして必死になってもがきますから
結果として生き残ることができるのです。
都会育ちが田舎に移って成功する例もたまにはありますが、
別荘地やリゾート開発をして
都会地の人相手の商売をやるくらいなものです。
田舎の方が条件は悪いですから、
条件の悪いところで鍛えられた人が
条件の良い地に出て成功するチャンスはありますが、
その反対はそう簡単には行きません。
いつの時代でも地方で苦労して地盤を築いた人が
組織をあげて天子様の住む都へ攻め上がって行きます。
それを上洛と言います。
信長も秀吉も田舎の出身で、隣り近所を堅めると
京へ攻め上がっています。
天子様にご挨拶というときこえはいいのですが、
大都会を自分の勢力下において
天下に号令をかけるのが目的なんです。
歴代の総理大臣を見てもおわかりでしょう。
東京出身の総理大臣なんておりませんよねえ。
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