第233回
日本文化の輸出がはじまります
日本の工場はドンドン海外に移動しています。
海外に移動しなければならない事情が
日本側にもありますが、
受け入れる側が喜んで日本企業を受け入れるのは
そうすることによってその国が豊かになるメリットが
あるからです。
先ず工場で働く人が必要なので、
それだけ就職のチャンスがふえます。
仕事をしてもらうために働く人を訓練するので
労働者は熟練労働者に育ちます。
その国の人を使って
いままで生産していなかった製品を
つくれるようになりますから、
工業技術が定着します。
その上、お金が儲かるようになれば、
(何年かは所得税を免税にする特典が
あたえられることが多いのですが)
やがては税収もふえます。
会社の法人税がとれるまでに時間がかかったとしても、
とりあえず従業員や現地に派遣された経営者の
個人所得税はすぐにも発生しますから、
どこの国にとってもトクをすることの方が
ずっと多いのです。
海外に進出した日本企業は従業員の親睦や
グループ行動を強化するために運動会をひらいたり、
盆踊りを開催したりします。
会食の時は日本料理を出すので、
現地の人たちに日本料理に親しんでもらう
チャンスもふえます。
また従業員の中の優秀な者を
日本にある本社工場に見習に派遣したり、
日本語の勉強をさせたりしますので、
日本文化に接してもらうことにもなります。
その国の経済が豊かになり、
外国人がそれを評価するようになると、
その国の文化が自然に
広く世界中から受け入れられるようになるのです。
私は昭和40年代に日本経済が高度成長しているのを見て、
いまに日本文化が
世界中から受け入れられるようになるだろうと
予言したことがあります。
日本文化と言っても、
桂離宮とか、歌舞伎とか、相撲のことではありません。
相撲もこの頃は両横綱が揃って外国人になってしまい、
日本相撲協会が
日本国際相撲協会になってしまった観がありますが、
私の言う文化とはふだん日本人のやっている
ライフ・スタイルのことです。
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