第180回
中国の株式市場にチャンスあり
いま中国では猛烈な勢いで工業化がすすんでいます。
工業化がすすむと、富が増大しますから、
それが国民所得を押し上げます。
小平の改革開放政策がはじまって
8年あまりになりますが、
この間に中国の1人当り国民所得が
300ドルから800ドルまで上昇しました。
日本に比べれば遥かに低い数字ですが、
富の急増している時は大へん活気のあるものです。
恐らくこれから更に倍増するのに
そんなに時間はかからないでしょう。
工業化のすすむ時は何が起るかは、
昭和30年代から40年代の
日本をふりかえって見ればすぐにわかります。
株が上がるんです。
それも過去の経験を持った人の常識を裏切るような
激しい上がり方をするので、
みなが目を丸くしてしまいます。
私がはじめて株を買った昭和30年の半ば頃は
ダウが1000円前後でしたが、
それでも高すぎるという声をききました。
のちに3万9千円の高値をつけると
予想できた人がいたでしょうか。
人は過去を基準にして物を考え、
未来を見据えて将来を考えることができないからです。
同じことがいまの中国人についても言えます。
中国の証券市場がはじまって10年たちましたが、
10年たって中国の株価指数は2千点をこえました。
ニューヨーク市場で千が2千になるまでに15年かかり、
香港市場では12年かかりましたが、
上海では僅か8年で倍になったのです。
中国で株をやる人は大半が目先筋ばかりですから、
へっぴり腰でちょっとでも上がったら売り、
雲行きが悪くなったらあわてて投げます。
そういう人たちから見たら、
とても不安定な恐ろしい相場つきです。
でも昭和30年代の日本を経験し、
昭和50年代の台湾を経験した私にとっては、
上海株の高値はこれからはじまる
中国の高度成長のまだ玄関口なんですね。
昭和48年に私について台北に行った人で
100万円捨てた積りで台北の株を買ったら
15年後に1千万円になった人を私は知っています。
それと同じことが中国でも起りそうですね。
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