第175回
瓢箪から駒のホンヤク・センター

私の台湾にある「永漢日語」という日本語の学校は
台湾の若い人たちに日本語を教えていますが、
台湾に派遣されてきた日本企業の総経理たちにも
北京語を教えています。
日本語の教室は1クラス10名から15名ですが、
北京語の学生は日本人で高い授業料が払えるので、
先生1人に学生1人です。
でも支店長さんクラスになると
忙しさにかまけてよく休みますから、
授業料を無駄にすることが多いようです。

日本語学校には、日本語のわからない台湾のために
日本語で来た手紙を中国語に翻訳する仕事と
その返事を来た日本語になおしてあげる副業があります。
日本人の先生たちのアルバイトになるのですが、
翻訳料が安すぎて小遣いにもならないと言って
敬遠されがちです。

ところが、上海に「永漢日語」ができて、
この夏休みは7月だけで
400名も新入生が入るという盛況ぶりですが、
台湾の学校に来た翻訳のアルバイトを
FAXで上海に送って上海の先生方に翻訳を頼むと、
喜んでやってもらえます。
上海の方が物価水準が低く、賃金も低いので
いいアルバイトになるからです。
当然、翻訳の仕事をやるのなら、
コストの安いところを選ぶことになります。

そこのところに目をつけられて、
上海に日本語と中国語を相互に翻訳しあう
日中ホンヤクセンターをつくってくれないかと
さきにふれた情報屋さんから依頼がきました。
インターネットのキイを叩くと
日本語の情報が瞬間的に上海のセンターに届きます。
それをその日のうちに中国語になおして、
中国の会社に最新情報として流すのです。

但し、翻訳の仕事は
人間の頭脳に頼るよりほかありません。
これと似たような仕事を新華社が大連でやっていて
大へん繁盛しているとききました。
でも翻訳はとても難しい仕事です。
文化がよくわかっていないと、
チンプンカンプンな翻訳になってしまいますから。
はたしてうまく行くかどうかは
またこれからのことですが、
どこの国の瓢箪から駒がとび出すかわからんもんですね。


←前回記事へ 2000年9月1日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ