第172回
日本人も地球人になって行く
隣りがベンツならうちはBMWだという
競争心が消えてみると、
お金にこだわる必要もなくなってしまいます。
お金が簡単に儲からなくなったこともありますが、
お金を使って張り合う必要がなくなってみると、
お金儲けにそんなに夢中になることも
なくなってしまいます。
お金がそんなに必要でなくなれば、
お金を手に入れるために
そんなに働く必要もなくなります。
若者が一流会社に就職することに熱心でなくなったのも、
平気で中途退職するようになったのも、
またフリーターをやるのに
そんなに肩身の狭い思いをしなくなったのも
みんな金離れの風潮と関係があると見てよいでしょう。
もっとも金離れが時代の風潮だと言っても
金が要らなくなったということではありません。
そんなにお金がなくとも、
適当に節約するコツを覚えたら
生活をするのには困らなくなったという意味です。
生活して行く上でお金は必要なものですから、
どうやったらお金をふやせるか、
どうやったらお金が上手に使えるようになるかは
依然として現代人の最大のテーマの一つです。
私がしょっちゅうお金のことにふれるのも
皆さんにとって最も関心のあることだと
私が考えているからです。
「哲学が変わった」の中で
もう一つふれている日本人の動きは、
グローバル化の中で
日本人がどういう方向に変わって行くかということです。
外国旅行に出かける日本人も急激にふえましたし、
外国企業で働く日本人もふえました。
外国語が下手なのは
どうしようもない日本人の欠点ですが、
それでもハウ・アー・ユウを
フー・アー・ユーと言い間違えるような
若い人はもういないでしょう。
日本人は日本人離れをする方向に動きつつあると
言ってよいと思いますが、
以上いずれも日本人を
もう一つスケールの大きな日本人にする動きです。
これも日本人の「哲学が変わった」せいだと
私は見ているんです。
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