第83回
人の集まる所へ君も行こう
地方の町でできる商売の最後の1つは
その町の住人を相手の商売です。
町の商店街はその町に住んでいる人に
日用品や雑貨や食料品などを売りつける商売ですが、
消費人口に限りがありますから、
商店街で1番ハヤっている店でも
大したことはありません。
ですから町で1番の店にのしあがるためには
簡単に言えば、商店街の商売を
ごっそりいただくような商売をやることです。
スーパーマーケットは商店街で売っているものを
ほとんど1軒で扱っていますから、
スーパーが進出すると
町中がひっくりかえるような騒ぎになりました。
スーパーが商店街に割り込むことには
商店街の旦那衆が一致して猛反対しましたが、
店のスケールから言っても
狭い商店街の中に入りきれませんから、
大抵は商店街から離れた畑の中に、駐車もできるように、
大きなスペースをとってつくられました。
どこで物を買うかは、お客がきめることですから、
お客は値段が安くて
品揃いの豊富なスーパーに集まります。
スーパーができると町の中の人の流れまで
変わってしまいます。
これで勝負がついたようなものですね。
商店街の中で歯が抜けたように
店じまいをする店が現われると、
その店の持主も、その町で
新しく商売をはじめようとする人も、
その店のあとを利用することを考えます。
でもそれは間違いです。
商売ができなくなったから店じまいをしたのでしょう。
その上町全体で過疎現象が起っているのですから、
大抵は何をやってもうまく行かないんですね。
そんな猫もまたいで通りすぎるようなところで
商売をやることなど考えないことです。
地方に住んでいる人ならすぐに気がつくことですが、
同じ県の中で1ヶ所か2ヶ所に
人口が集中する傾向が見られます。
県の人口の半分が県庁所在地か、
それに準ずる町にドンドンと集っているのです。
もし商売をしたかったら、
そういう人口の集中する町へ自分も移るのが
成功へ1歩近づくことになるのです。
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