第80回
町の活性化より家出のすすめ

地方都市の講演に行くと、
町の活性化運動をやっているのによくぶつかります。
町の活性化に熱心な市長さんや町長さんほど、
東京から講師を呼んだりするんですね。

ちょうどそういう運動の最中にぶつかると、
市長さんや町長さんは、
「折角、センセイにおいでいただいたのですから、
 町の活性化についてぜひ知恵をお貸しいただきたい」
と挨拶されたりします。
ところが、自分の生まれ故郷で成功した例が
少ないことを見ていますし、
どこの町に行っても、
その町で一番成功している人はよそ者とか、
よその県から来た人だということを知っていますから、
あたりさわりのないお世辞なんか
言っておられないんですね。
私は嘘の言えない人ですから、
つい本当のことを言ってしまいます。

私に言わせると、
自分の生まれた町で成功する人は少ないのですから、
自分たちで町の活性化ができるわけがありません。
町の活性化に力を入れるのは
選挙で票をもらいたい人くらいなもので、
事業をやって成功したい人は
町から出て行った方が手っ取り早いのです。
私がそういうと失笑の声があがりますが、
でもそれは本当のことなんですよね。

では自分の生まれ故郷で成功する人は
絶対にいないかというと、
もちろん、そんなことはありません。
何事にも例外があります。
自分の生まれ故郷で成功できる人は、
学生時代や、若いサラリーマンの時代に
故郷を離れて暮らしたことのある人です。
一度、故郷を離れてよその都市や外国で暮らすと、
よその生活を経験していますから、
よそ者の目で自分の生まれ故郷を
観察することができるようになるんです。

そういう目で見ると、町のどこにスキマがあって、
どんなことをやれば、
商売として成功できるかがわかってきます。
でも自分の生まれた故郷の方が難しくて、
それ以外のところの方がチャンスは多いのですから、
何も自分の生まれた町に固執する必要はありません。
人生至るところ青山ありです。





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