第21回
投信より株を買う人が私の読者

長い間コツコツと貯めたお金ではじめて株を買う時には
かなりの決心と勇気が要ります。
元本の保証された銀行預金や郵貯と違って、
株は値上がりもするけれど、株下がりもするからです。
折角、貯めたお金がパァーになってしまうことだって
大いにあり得ることなんです。

株については知識もないし、
といって満期になって解約になった
郵貯をそのまま継続しても
タダのような利息だから、何の役にも立ちません。
そういう立場の人が今年はたくさんいて、
郵貯の解約分だけでも100兆円以上は
あると言われています。
ちょうど株の上がる時期ですから、
私なら怖がらずに株を買いますが、
「お金は人間より臆病」ですから、
同じ株を買うにしても専門家に任せた方が
いいと考える人はたくさんいるでしょうね。

そういう人たちが投資信託に集まるので、
今年は投資信託の当たり年になる筈です。
二月に野村証券が投資信託を設置したら、
一日で何と8000億円ものお金が集まったそうです。
そのおかげで、17、800円のところを
長いことうろうろしていた野村の株が
一挙に3000円台におどりあがってしまいました。
今後、続々と投信に集まるお金が続くので
野村だけでなく大和や日興や他の証券会社の株も
まだまだ上がることでしょう。

株式投資に自信のない人が投信に走るのは
自然の成行きですが、
専門家に任せるのが株で儲けるヒケツかというと
少々疑問が残ります。
専門家だって間違うことは同じです。
でなければ、お金を貸す専門家である銀行が
倒産寸前まで追い込まれるわけがありません。
株式投資の専門家である投信の運営担当者にしても
人間としての弱点を持っています。
責任をとらされることは避けたいサラリーマンですから、
株が大暴落した時に嵐の中に飛び出して
行くような危険をおかすことは先ず考えられません。

嵐の時は鎧戸をおろして嵐の吹きすぎるのを待ちます。
そういう人にお金を預ける人より、
私の読者になってくれる人は
小粒であっても嵐の中にとび出して行くような
冒険心のある人がいいですね。





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