第19回
借金をして株をやってはいけません
一ぺんでも株で儲かった経験のある人は
株で儲けるのはそんなに難しくはないと考えがちです。
とくに株価の上昇期は、目が醒める度に
株価が上がりますから、
100万円で100万円儲かるなら、
200万円出せば200万円儲かると
欲の皮を突っ張らせたくなります。
そうした人間の心理につけ込むかのように
株式市場には株をやる人にお金を貸してくれる
制度があります。
信用取引といって、保証金を積むか、
保証金の代わりに株券をさし出せば、
お金を借りて自分の実力以上の株式の
売買をすることができます。
保証金がいくらいるかは
株価の居どころによって違いますが、
簡単に言えば、100万円の資金を持っている人は
その倍の売買が出来ると思ったらいいでしょう。
株の取引ですから、
むろん売ることも買うこともできます。
買う人は空買いをして値上がりして売れば、
その差額から利息や手数料分を
さしひいた残りが儲けになります。
空売りをする人は売るための株を日証金から
借りなければなりませんが、
空売りの少ない時は毎日、利息がもらえます。
しかし、値下がりを見越した空売りが
空買いをオーバーした時は逆日歩がついて
売った人が利息を一日いくら
払わなければならないということが起ります、
それでも株が値下がりしたところで
買い戻せば、その差額が儲かります。
そういう思惑通りのことが起れば万万歳ですが、
世の中は自分の思い通りにならないことが多いと
考えた方がいいでしょうね。
そうした場合、自分のもっている株が
値下がり(もしくは値上がり)して損をした上に
お金を借りて信用買い(もしくは信用売り)をして
損をした分も負担しなければなりませんから
損は倍になります。
一株1000円の株が500円に下がったり、
一株1000円で売った株が2000円に値上がったりしたら、
それだけで全財産を失ってしまうことになります。
そんな危険をおかしてまで株をやることはありません。
借金をして株をやってはいけないのです。
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