第5回
株式投資に卒業はありません

株式投資に卒業はありません

株をやることをすすめているわけではありません。
私の周辺の若い人たちを見ても、
株をやる人と株をやらない人に
はっきりわかれています。
株をやる人が利口で、株をやらない人が
時代遅れだということはありません。
株をやる人が金持ちになって、
株をやらない人はいつも貧乏している
ということもありません。

人間にも色んな種類の人があって、
株に向いた人とそうでない人、
また株に興味を持つ人とそうでない人が
いると見た方がいいでしょう。

でも株をやる人が日増しにふえて、
株式投資がますます盛んになるのは
時代の趨勢(すうせい)です。
世の中が豊かになるにつれて、
人々の持つお金がふえ、そのお金を運用して
お金をふやすチャンスが多くなるのに、
お金をふやす舞台は逆に減っているからです。
たとえば高度経済成長の続いていた間は、
土地が年々値上がりしていましたから、
土地は投資のいい対象でした。
また投資に頭を悩ますのはごめんだという人は
お金を銀行か郵便局に持って行って
定期預金をしておけば、
6%くらいの利息はもらえました。
ところが、いまはゼロに近い金利ですから、
銀行にお金を持って行くのは
家の中においておいて空巣にねらわれるよりは
ましだと思うからです。

今もまだ生きているお金でお金をふやす方法は
株式投資くらいなものです。
競輪、競馬はバクチだし、
とるか、とられるか、のどちらかです。
株式投資にもそれに似た面がありますが、
株価は産業界の盛衰を反映するものですから、
クイーズをやっているうちに無意識に
産業界に資金を提供しているという
おまけがついています。
そういう知的ゲームは
現代人向きのエンターテインメントを兼ねた
利殖法と言ってよいでしょう。
そのためには産業界に対する知識も必要なら、
世の中の変化をうまくキャッチできる
機敏さも要求されますから、
欲の皮を突っ張らせながら、勉強にもなるのです。
株式投資には入学や中退はあっても、
卒業はありませんね。






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