第二に、情報が売れるようになったことである。一番古い例は不動産の情報であり、その次がダイレクト・メールの名簿である。医者の名簿、高額所得者の名簿、さては全国のゴルフ会員名簿に至るまで、商品販売には欠くことのできないものであるから、名簿の人数一人当たりいくらという商取引が可能になる。
最近ではサラリーマン金融の情報センターがあって、コンピュータに直結していて、一回きくと一〇〇円手数料を払うことになっている。
サラ金の店頭に借手が一人現われるたびに必ず一〇〇円支払われるのだから、惰報センターが大幅黒字になるのも無理はない。
第三に、コストにいくらかかったということよりも、消費者の心をひくかどうか、といったことが重視されるようになった。流通革命もあったし、生産革命も続いている。しかし、物を安く仕入れることよりも、もしくは物を安くつくることよりも、気に入ったものや欲しいものを手に入れること、つくることが大切になってきた。買うほうにしても、原価にいくらかかったかなどということは問題にしないから、「売れる商品は何か」ということだけ考えればよくなった。
第四に、マスプロよりミニプロに人気が集まるようになった。テレビや自動車のような工業製品のマスプロはやむを得ないが、お菓子やレストランの料理やファッション、アクセサリーなど趣味嗜好にまたがる分野では、多くできるということはかえって不人気の原因になる。森永や明治のような製菓会社の製品を誰も見向きもしなくなり、両社とも事実上、製薬会社に転業してしまったのを見てもわかることである。
以上を見ていると、均一化よりは多様化が時代の傾向であり、大企業にだけ有利な客観条件でないどころか、むしろ中小企業に有利な方向に展開している。だから、資本の少ない者にとって商売のチャンスがなくなったとはいえない。
問題は自分がこうした動きをどこから見ているか、どこに自分の活躍する分野を見つけようとしているか、ということであろう。
というのは、自分に関心のないこと、自分に不向きなことは、いくらお金の儲かりそうな仕事であっても縁がないと思うべきで、ふだんから注目していることは自分の手の届く範囲、少なくとも自分のやりたい範囲にあることだからである。したがって、そうした中から「こういう仕事を選びたいが、はたして商売として成り立つものでしょうか」という攻め方でなければ、とても実現は覚束ないのである。
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