お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南

第76回
女性にルーズな人はお金が貯まらないか?

世間には、約束にルーズな人だけでなく、
女性にルーズな人も少なくありません。
女性にルーズな人は、やはりお金にだらしないといえるでしょうか。
私も、この道ばかりはあまり経験がないので、
偉そうなことは言えないのですが、お金への欲望と女性への欲望はべつのようです。

芥川龍之介の本の中に、辜鴻銘という中国の有名な学者が出てきます。
この人は、北京大学の学長をつとめ、
「南はペナンで生まれて、東は日本人を妻にめとり、
西はエジンバラ大学に学んで、北は北京に住んだ」というので
自ら「東西南北」と号した国際人ですが、
当時のなんでも西洋文明優位という時代風潮に反発して、
わざわざ弁髪を結い、中国服を身につけていました。

ある日汽車の一等に乗っていて、イギリス人がからかい半分に、
弁髪を握って、「ヘーイ、ピッグズ・テイル」(豚のしっぽ)と呼んだら、
辜教授もすかさず、相手のネクタイを引っぱって、
「ヘーイ、ドッグズ・ネックレス」(犬の首輪)と言ってやり返したそうです。

この人は、 「西洋人は、中国人が一人で何人でもお妾を持つモンスターだと笑うが、
中国人のように一度関係を持つと一生面倒をみる風習と、
夜、街で拾ってきて、一夜明けるとまた街へ捨ててくる西洋人の男と、
どちらが野蛮か」と言い返しています。
ひと口に女性にルーズといっても、いろいろで、
色の道ばかりはまたべつという面が強いようです。
私の知っている中国の人などは、ものすごいケチで、
普段はしっかりと財布の紐を締めているのに、好きな女性が現われると、
その女性のためなら何でも言うことを聞きます。

テーブルの脚の一本が、すこし短くガタガタすると、
ポケットから札束を出してきて脚にあてがったりする。
好きな女性にはお金にいとめをつけないのです。
「一生懸命働くのも、女のため」といったことわざが中国にはあります。
だからといって、お金にきちんとした人が女にだらしがなくないかというと、
そんなこともありませんし、お金にだらしのない人は
すべて女にもだらしがないかというと、そんなこともありません。
十人十色といいますが、色の道はやっぱりべつなんでしょう。





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2016年2月1日(月

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