第48回
四十代になったら、できるだけお祝いはフンパツする
いくらお金を貯めるためでも、
いまは「義理欠き」は通用しなくなりました。
四十代になったら、せめて親類とか知人の結婚式のお祝いくらいは、
人並みより心もち気張ってもいいのではないでしょうか。
年をとるにしたがって、
人から愛されるチャンスは、だんだん少なくなってくるんです。
ですから、あのおじさんは気まえがいいなあと
思われるくらいのほうがいいんじゃないかと思うんです。
もちろん、若いときから、気まえよく出していたら、
家計がもちませんし、お金が貯まるどころではありません。
友人同士なら、結婚式も行ったり来たりになるわけですから、
気張る必要はないでしょう。
仲間同士は一万円と、
あらかじめ協定をつくっておいてもおかしくはありません。
私自身、むかしはケチをしていましたから、
常識ぎりぎりの線しか払いませんでした。
いまとなっては、そうもいきません。
ケチケチして嫌なやつだと言われるとシャクですし、
そうやって残したって税金で
持っていかれるんですから。おまけに結婚式に顔を出すと、
かならずスピーチをさせられます。
いつも私はこう言っているんです。
「私は、ふだんは日本で一、二を争うほど
高い講演料をもらっているんですけれど、
今日は、お金を払って話をさせてもらいにきました。
それというのも、花婿のお父さんとは長いつきあいがあるからなんです……」
世間並みの常識を心得ていれば、
あとは、そんなに困ることはありません。
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