第195回
一夫多妻
「レッツ メイク ラヴ」は、
ルーツの半分がデンマークにあった
マリリン・モンローの、主演する古い映画の題です。
その映画がやってきた頃の日本では考えられない題名です。
それで直訳をさけて「恋をしましょう」になったのでしょうか。
その頃から、現代の日本人の若者は随分変化してきました。
それでも私達は、チンパンジー達とは違って、
色々なしがらみや規定やモラルがあります。
なかでも一夫一婦の制度は、
経済共同体としても優れたものらしくて、
その文化を取り入れた地域は豊かになりました。
北欧でも一夫一婦の原則は変わりませんし、
恋人の場合も一人が原則ではあります。
一夫一婦は、ユダヤ人、ヨーロッパ人、日本人が
制度として世界に先んじて取り入れたのだそうです。
世界的に、古くから一夫一婦制だったのは、
世界ではむしろ少数だったそうです
長い間、ユーラシア、アメリカ、アフリカ、中東、
と世界の大勢は一夫多妻でした。
今でもそういう国の国民は貧しいですね。
一夫多妻は、一族の中の成功者が、しかたなく、または喜んで、
郎党に足を引っ張られる習慣の一部に含まれるものかもしれません。
ガンビアは一夫多妻の社会制度です。
回教徒は4人までの妻を認めています。
ガンビア旅行をした時の私達のガイドは、
元サッカーの選手で、
新築のガンビア国立競技場で初ゴールをあげたそうです。
競技場初の退場を受けたのも彼で、
今もビッチリと筋肉が付いた逞しい体の彼は、
そのへんの事情を聞かれると
「相手の選手の体が弱いのは、私にはどうしようもないですね」
と答えました。
そのガイドに一人のデンマーク人の中年の女性が尋ねました。
「奥さんをたくさん持つのは大変ではないですか?」
デンマークでも、強い奥さん一人を持て余している夫は多いです。
すると、彼の大きな、ギョロギョロした目玉が動きました。
皆が注目する中でガイドは答えました。
「私が広場の木陰で座ってお喋りしていると、
妻の一人が“ご飯ですよ”と呼びに来ます。
すると、私は立ち上がって、ずり落ちたズボンを引っ張り上げて、
妻の後に付いていきます。全然大変じゃないです」
それ以上は質問も出せず、その会話は後が続きませんでした。
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