第171回
地獄の沙汰も水次第
今、デンマークでは野菜が非常に高いです。
ディスカウント・ショップでも例年の倍以上するので、
買い物をすると、
まるでたまに日本に帰った時のような気になります。
デンマークの物価は、
ヨーロッパの平均より33%程高いそうですが、
たまに日本に帰ると、物価の高さにビックリします。
昔の値段が頭にあるせいもあるかもしれませんが。
デンマークでは2月下旬の現在、
例年の2倍の値段で、ピ−マン3個400円、
オランダ産きゅうり一本240円、
ブロッコリー300円、茄子300円です。
どれも重さは日本物の倍から4倍くらいあるけれど美味しいですよ。
なぜ例年より高いかと言うと、
スペインで大雪が降ったからだそうです。
この高値はオランダの野菜が入ってくるまで、
三月一杯続くそうです。
オレンジは、
スペインはバレンシア産が多くて、大変美味しいですが、
これは、そんなには値段に影響はないようです。
オレンジはイスラエルからも美味しいものが、
デンマークのお店に並びます。
イスラエルというとテレビニュースにでてくる、
乾燥して暑い国を連想しますが、
あの小さな国に色々な気候の地方があるようです。
イスラエルのガイドというのは
難しい試験を通らなければならないので、
社会的地位が高いそうです。
死海に向かうバスの中で、高齢の女性のイスラエル人のガイドが、
小話を披露しました。
―エレベーターでキリスト教徒とイスラム教徒とユダヤ教徒が、
悪魔に連れられて地獄に降りて行きました。
最初の階でキリスト教徒が降ろされました。
「お前はここで降りなさい」
降りると、ものすごい熱さの灼熱地獄です。
その次の階はイスラム教徒が降ろされました。
地下2階の地獄の熱さは、上の階の比ではありません。
次は1番熱い地獄の3丁目、地下3階で、ユダヤ人の番です・・・。
ところがエレベーターの戸が開くと、
そこはみずみずしい緑の農場で、少しも熱くありません。
悪魔は地団太踏んで
「畜生、ユダヤ人の奴、
地獄にまでキブツ(農場共同体)を作りおった」
と悔しがりました―
砂漠のキブツにも野菜畑や果樹園があるのは本当ですが、
ちょっと手前味噌が過ぎるのも、
ユダヤ人らしいかもしれません。
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