前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第42回
道端の友情から

銀細工屋のTさんには店で働く人を何回も紹介してもらいました。
彼は面倒見が良くて顔が広いのです。
銀細工は個性的な良いものを作りますが、
店は午後から数時間しか開けません。
夏の天気の良い日は店よりも日光浴が優先します。
北欧の夏は気持ちが良いけれど短いです。
店が閉まっている時に来た客も、
品物が欲しければ又来るからいいんだと言います。
実は他に収入源が有るのでのんびりもしていられるのです。
掃除会社をやっていて早朝から自分も一仕事してきているのです。
彼の清掃の会社では様々な国の人が入れ替わりに働いていました。
中には失業保険が目当てで
「何でもいいから保険の貰える資格ができるまで仕事をしたい」
という人もいます。
もっとひどいのになると障害保険を貰うためにやってきて、
入社したとたんに病欠になるのもいます。
人を集めるのもなかなか大変なようですが、
そうやって残った人には働き者が多いのです。
続いた人の中で他の職種に就きたい人には、
Tさんは新しい職場を捜してあげました。

Tさんの金銀細工は銀の針金細工を作って、
路上で売ることから始まりました。
若者達は銀の針金細工を売ったお金を貯めて
世界を旅行をしていました。
Tさんの場合はデンマークに住むことになりました。
日本人の旅行者の中には路上で彼らを見かけると
「あんた、そんな事して儲かんの?」などと
冷やかす人もいたそうです。
見てる自分の方が恥ずかしくて、その照れ隠しなのでしょうか?
儲かるどころではありません。
からかう人の給料の、多分何倍ものお金になったんだそうです。

最近ではペルーから
色とりどりのショールや帽子を売る人がやって来ます。
南アメリカのインディオの一行です。
音楽の得意な人は「コンドルは飛んでいく」など
皆が知っている曲を交えた演奏して投げ銭を貰います。
私の古くからの友人の息子のマーチンは、
そういう人達と話をして友達になりました。
デンマークの若い人は道端のどこの国の物売りでも話し掛けて
すぐに友達になります。
それだけならで終わらなくて、
マーチンは夏休みにそのペルー人の住む田舎の村まで
一人で遊びに行きました。


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2004年9月14日(火)

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