第1077回
モノライン
金融機関やファンドも下げてくることが読めていたなら
高値で売却していたはずです。
ですが、そうできなかったために
金融機関も多大な損を出しています。
9月15日にはリーマン・ブラザーズ証券株式会社が
破綻して倒産しています。
2008年8月末での負債は約3兆4314億円と
一般市民ではどれくらい大きいのか計り知れない額です。
この金額は一人100万円損をしたとしたら
343万人という数字になります。
全体では100兆円を超えた損金になっていくでしょうが、
この数字でしたら1億人が一人100万円損をした数字と同じです。
実際は100兆円では済まないでしょうが。
本来はサブプライムローンで
損を抱えた購入者だけの問題で終われば影響も少ないのですが、
問題はサブプライムローンを利用した関連商品が多く販売されて
いったいどれくらいの商品で
いくら損が出ているのかわからなくなっていることです。
モノライン
(金融商品の元利払いを保証するための保険会社)補償額が
サブプライムが問題化するにつれて、
関連商品が次々と支払い不能になり、
モノライン企業の補償額が増えていきました。
もともとサブプライム関連商品や他の金融商品は、
モノライン企業の存在によって、
その安全性が信頼されていた部分が大きいのですが、
モノライン企業が格下げになると、
地方債などあらゆる金融商品の信頼性が下落します。
最悪の場合、世界的な金融危機にも発展する可能性があります。
それを警戒してお金は市中になおさら出回らなくなりますので
金融はなお収縮していきます。
こうなると経済の血液が循環しませんので、
黒字の企業でも
融資細りや資金繰り悪化で倒産するという現象が起こります。
リーマンだけではなく、
破綻こそしなかったものの多くの金融機関が
やはり何兆円、何千億の損を出しています。
さらにここから損金が膨らんでいく可能性もありますので
底が見えません。
また、アイスランド政府のように
10月6日に金融危機を回避するため
同国のすべての金融機関を事実上国有化した国まで出てきました。
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