第1062回
支援策
9月7日の日曜日にポールソン米財務長官は記者会見を行い、
経営難に陥っている
政府系住宅金融機関の連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と
連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を
政府の管理下に置くと発表しました。
米政府は悪化する米住宅市場の支援と
国際金融市場の混乱回避のため、
金融システム危機を防ぎ、
米経済の悪化に歯止めをかけるのが狙いで
2社に合計で2000億ドル(21兆円)の優先株購入枠を設定し、
経営状況に応じ段階的に公的資金を注入します。
ポールソン財務長官は
「米国の経済や市場は、
住宅市場の調整が終わるまで回復することはできない」とし、
両社は米住宅ローン残高12兆ドルの半分近くを保有、
または保証しており、どちらかが破たんすれば、
国内ばかりか世界中の金融市場に大きな混乱を引き起こすため、
両社を連邦住宅金融局(FHFA)の政府管理下に置きますが、
株式は引き続き取引可能となっています。
フレディーマックの
リチャード・サイロン最高経営責任者(CEO)、
ファニーメイのダニエル・マッドCEOは退任します。
後任には元USバンコープ幹部のデビッド・モフェット氏と
年金基金のトップを務めたハーブ・アリソン氏が就任します。
財務省は今月にも両社発行のMBS
(一般にモーゲージと呼ばれる。
主に住宅ローンなどの
不動産担保融資を裏付け債権として発行された証券)
の購入を開始し、
2009年12月31日まで買い付ける権限を持っており、
資金供給枠も2009年末まで継続します。
米政府からファニーメイとフレディマックへの支援策がでるのは
時間の問題でした。
ではこれでサブプライムローン問題が
すぐに解決していくかといえばそうはいきません。
これからが本番です。
もしこれらの必要な措置が米国の住宅市場を強化し、
金融市場の安定を促すようになれば景気も安定し、
世界の株式市場も株価も上げていくようになります。
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