第1055回
北京オリンピックと投資
大方の予想としては、北京オリンピックが来る前に
大きく中国株が値上がりしていく時期が続くのではないだろうか、
北京オリンピック前後からは、
中国の経済が一時低迷するようなニュースが流れて
下げていく場面が出てくるのではないかと思われていましたが、
現実は違ってきていました。
その大きな原因は「サブプライムローン問題」
(低所得者向け高金利住宅ローン)で
世界のお金の流れが大きく違ってきたことでしょう。
アメリカでの「サブプライムローン問題」で
機関投資家の資金は商品のほうに流れていきました。
サブプライムローンの商品自体
債務者の返済能力を無視した商品で、
内容的には未成熟で
本来は商品として認めてはいけない商品だったと
個人的には思っています。
家を購入した人が2〜3年後に高金利で12%ついたなら
1千万円なら120万円、
2000万円なら240万円、元金のほかに支払わなければいけません。
低所得者層の中でどれからい人が支払っていけるでしょうか。
ですからこの商品は低所得者層のために造ったのではなく、
持ち家をネタにして金融機関が儲けるために作った商品で、
法律で通れば、倫理観でおかしいと判っていても
無視して売ってきました。
そのつけが金融機関だけの損ではなく、
住宅ローン会社は債権を小口証券化し、
RMBS(住宅ローン担保証券)として売り出し
サブプライムローンに関連した投資が世界中に広がり、
同ローンの焦げ付きが増加したために
ヘッジファンド、そのほかに資金を提供した金融機関も
連鎖的に損失を被りました。
その損失を穴埋めするために株を売却しましたが、
それで足りずに損金を計上しています。
また、世界の金融市場では信用収縮が拡大し
実体経済に及ぼす影響も懸念されてきました。
アメリカの経済のマイナス成長懸念、
世界の経済後退懸念で世界の株式市場の株価はさえません。
これからどこまで世界の経済が収縮していくのか見守っていて、
株式市場は停滞しています。
原油の高騰でのインフレ懸念、
アメリカの不況懸念、世界経済失速懸念から
世界の株式市場の株価は安くなってきていました。
|