第879回
株価は上げても下げても・・
上海振華港口機械に対しての投資は
一部の株は売却したものの、その後株価が下げたなら
再度購入をしていくというものです。
また、残った株数に対しては2倍に増えていますので、
株価が上昇していったならその分が利益となっていきます。
気持ちのうえでは株価が上がっていくのなら
残った株数の値上がりによって利益が膨らんでいくことですから
悪いことではありません。
ですが、同社株を売却した資金を再投資しようとしたときに
安値ではもう購入できないのですから
残念な気持ちになっていきます。
逆に株価が下がっていったなら、
同社の売却代金で再度購入した後に株価が上昇していけば
再度購入した分でも利益が膨らんでいきます。
ただし、精神的には株価が下がっていくことで、
残った株数もそれだけ価値が下がっていくことと同じですから
損をしていったのではないかという気持ちにもなります。
つまり、株価が上がっても下がっても、どちらにしても
ハラハラどきどきする展開が続きます。
来年の結果が出るまでは決着がつきませんので、
その間精神的にもきつい状況がずうっと続いていきます。
もしうまくいったとしたら、
その後上海振華港口機械の業績が伸びていく限りは
この投資方法でも何年間も続けていくことができます。
10年間大きく成長できるのでしたら
10年間つづけていかも知れませんし、
20年間以上成長していくのでしたなら
この投資方法でも投資資金を増やしてくことができます。
問題は投資していく企業が成長できるかどうかです。
もし、成長できない企業となったなら
すぐにでも売却していかなければいけませんが、
成長できる企業であるうちは投資が検討できます。
株価が安くなったときに購入していった場合に、
毎年の投資金額で2倍になる企業に投資ができたなら
10年後にはすごい金額まで膨らんでいきます。
あるお店の主人が店員を募集したところ
一人の青年がやってきて
自分を雇ってほしいという申し出がありました。
日給の話になったところで青年は一日目は1円でいい、
ただしそれ以降は倍の金額にしてほしいという申し出をしました。
1日目が1円で雇えるのなら次の日は2円ですみます。
その次の日は4円です。
さらにその次の日は8円ですみます。
この条件なら格安で使うことができます。
主人は雇うことを決めました。
青年は1日目は誠実に働いて1円を貰って帰っていきました。
次の日もちゃんと働いて2円貰って帰っていきました。
ご主人はいい従業員を雇ったものだと満悦に浸りました。
・・・では、1ヵ月後にはどうなったのでしょうか。
そのお店のご主人は人件費が支払えずに
お店を捨てて逃げていったということです。
ではこのような話がなぜ成り立つのでしょうか。
確かに1日目は1円で、2日目は2円をちゃんと支払いました。
では1ヵ月後はどのくらいの金額になったのでしょうか。
1円が2倍になっていく計算ですと1ヵ月後には
2147万4834円支払わなければいけないことになります。
これが複利計算の恐ろしさです。
1日きて働いてもらうのに2147万4834円支払うことなど、
どこの企業もできることではありません。
では、投資した企業が投資金額に対して年間2倍に膨らんで
いったなら10年後にはどのくらいになっているのかといえば、
10年後には1024倍にまで膨らんでいます。
これだったら10万円投資しただけでも1億24万円になります。
2倍ではなく50%だったとしても57.6倍にまで膨らんでいます。
100万円投資でしたら5760万円になります。
現実にこのような金額にまでできるかといえば話は別ですが、
あくまでも可能性からいえば計算上ではこのようになります。
現実に100万円投資で30%ずつ毎年膨らませていけたなら10年後には
1378万円になります。
このほうが現実的な数字ですが。
このようなチャンスを得るためにも、ひとつの企業に売却と
再投資を含めて投資し続けてもふやしていける投資方法でもあります。
もちろん、株価でも年間2倍になる企業に投資できたなら
ご主人と青年の契約のように同じ結果になりますが、
現実は厳しいですからそこまでは求めないほうがいいでしょう。
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