第783回
中国銀行が香港株式市場に上場
中国四大銀行の一行である中国銀行(コード:3988)が6月1日、
香港株式市場に上場しました。
中国銀行は外貨建ての貸出しおよび預金残高は
中国の銀行の中で最大で、主力は法人向け事業、
ほかに個人、為替、クレジットサービスなど手がけています。
中国銀行のIPO(新規公開株)応募倍率は
一般投資家向けが約80倍で
機関投資家向けが20倍という数字でした。
売り出し価格は2.95香港ドルで決定し、
1日の初値は3.150香港ドルで、
公開価格の2.95香港ドルを6.8%上回っていました。
中国銀行の調達金額は
97億3000万米ドル(日本円で約1兆900億円)となり、
2005年に上場した中国建設銀行(コード:0939)の
93億万米ドルを超えて過去最大となりました。
中国銀行と中国建設銀行の比較(2005年実績から)
純利益、総資産(百万人民元)、従業員数(人)
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中国銀行 |
中国建設銀行 |
支店の数 |
11.910店 |
14.250店 |
純利益 |
25,921 |
47,103 |
従業員数 |
181.894 |
310.639 |
不良債権比率 |
4.4% |
3.8% |
総資産 |
4,270 |
4,586 |
ROE |
10.0% |
21.6% |
不良債権準備 |
68.0% |
66.8% |
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支店数では中国建設銀行のほうが2340店舗多くなっています。
純利益は中国銀行が25,921百万人民元に対し、
中国建設銀行は47,103百万人民元と1.817倍と高くなっています。
不良債権比率も中国建設銀行が低く、
ROE (株主資本利益率)は中国建設銀行は2倍と高い数字です。
*ROE (株主資本利益率)とは
純利益を株主資本で割った数字
*株主資本とは
貸借対照表から将来返さなければいけない負債を引いた
自己資本のことで、自己資本は将来返す必要がないお金で
株主の持ち分でもあり株主資本ともいう。
ROEが高いということは、
株主資本を使った利益がどのくらいで
貸し付けて利益をあげているかということで、
100円の株主資本があったときに
21円60銭の利益をあげているのが中国建設銀行で、
中国銀行は10円の利益をあげているということですから
中国建設銀行のほうが高い利益をあげているのが分かります。
企業内容だけを見比べますと
中国銀行より中国建設銀行のほうに投資妙味があります。
<次回に続く>
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