第639回
宝山鋼鉄
宝山鋼鉄(コード:600019)には
10月28日午後3時に本社に伺っています。
今回は製造過程見学をしながら話を聞いています。
宝山鋼鉄は中国本土A株市場には上場していますが
B株市場には上場していません。
宝山鋼鉄は中国で最大の鉄鋼メーカーです。
主な製品は熱延鋼板、冷延鋼板、シームレス鋼管等。
日本、韓国、欧米地域への輸出も手がけています。
宝山鋼鉄に伺ってまず驚いたのが敷地面積の広さです。
1999年中国に返還されたマカオ全土の広さは
17万平方キロメートルです。
宝山鋼鉄の地所はそれを上回り
19万平方キロメートルとなっています。
現在新工場を建設しているのが現在の土地の横にあり
もっと拡張をしていくということですから途方もない広さです。
敷地内には鉄道が引かれ主に運搬用に使っていますし、
今回工場の中の一部を見学する為に専用車でいきましたが
中心部にいくまでに20分から25分はかかりました。
どれくらい広いかが想像できると思います。
現在の鉄鋼の製造量は2004年時点で1180万トンです。
それが2005年予想では1400万トンにまで上がり、
さらに2010年には5000万トンになるとの事です。
業績でも順調に伸びています。
売上高・純利益(百万人民元) EPS、配当(人民元)
年 |
04年12月 |
03年12月 |
02年12月 |
売上高 |
58,638.06 |
44,460.36 |
33,876.60 |
純利益 |
9,395.23 |
6,975.72 |
4,271.93 |
EPS |
0.75 |
0.56 |
0.34 |
配当 |
0.32 |
0.25 |
0.20 |
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工場では人の姿はまばらです。
製品を製造する部分では
ほとんど全部がオートメ化で稼動しています。
この技術は日本の新日鉄ほか
海外からの企業協力でできたものとなっています。
ですが、この段階でも
日本の新日鉄にはまだ技術では適わないということでした。
また今後もリストラを進め人員削減を行い
利益向上に努めていくということです。
私自身は前から
鉄鋼株で宝山鋼鉄が上場したなら
購入できる企業であると思っていました。
現在上場している鉄鋼株より投資妙味があることは確かです。
この点では
将来は香港H株市場に上場する可能性があるということでした。
もしH株市場に上場したなら
投資できる企業として検討する必要があります。
ですがまだ先のことでしょうが。
宝山鋼鉄は上海振華港口機械とも関係があります。
上海振華港口機械は上海の西側の長江の下口にある島で
長興島にコンテナクレーン製造基地があります。
将来は海底トンネルか橋を作り鉄鋼を
上海振華港口機械に供給するとの事でした。
コンテナクレーン自体はほとんどが鉄鋼でできていますので
近場に生産企業があり鉄鋼が調達できれば
輸送費もかかりませんので優位な立場に立てます。
中国では日本と違いスケールメリットが大きく違います。
株式投資でも今はまだ安い時期ですので、
中国の通貨、元がまだ安いうちに、
また伸びていける企業に対しては
安く株を購入する時期であることは確かです。
<次回に続く>
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