第557回
航空会社への投資時期
各航空会社は2003年前後は
新型肺炎SARSや鶏インフルエンザによる影響を受けて
旅行客の激減で純利益ではマイナスに落ち込みました。
ですがまだSARSに関しては収束したわけではなく
地方によっては散発的に起きています。
ただ情報としては新しくないために
メディアには載っていないだけです。
中国南方航空(コード:1055)でも
2004年には今度は原油価格が上がり航空燃料価格が高騰したために
収益を圧迫しており、2003年12月期よりは収益でも回復したものの、
純利益では2003年同様に赤字となっています。
また7月に入って英国で同時多発テロが発生しました。
航空会社に対しては
今後旅行需要が減少するという懸念がでてきています。
今後も原油先物相場で原油価格が高騰していけば
航空会社の燃料コストは2004年は25%強でしたが、
今年2005年は30%に上がると予想されています。
航空会社は投資ではリスクが高い業種でもあります。
また航空会社は航空機がないと仕事になりません。
ですがこの航空機の値段が高いのです。
中国南方航空は5月にはいって、
傘下のアモイ航空と共同でボーイング社から
B737−700型が12機、B737−800型が33機の
合計45機を合計購入価格で26億3500万〜30億米ドル
(日本円で2980億円から3370億円)を現金で支払います。
航空会社に投資するリスクをあげてみますと、
・航空機1機あたりの代金が高い。
代金が高いということはそれだけ多くの
貨物および旅客を獲得しないと収益には結びつかない。
・原油価格に収益が左右される。
今回のように原油価格が高騰している時には減益要因になる。
・新型肺炎SARSや鶏インフルエンザなど蔓延したときには
旅行客が激減して影響を受ける。
・同時多発テロなどの発生にも旅行客数に影響を受ける。
このようにリスクが高い業種です。
ですが中国が発展していく上では伸びていける業種でもあります。
今回航空会社の株価が下げているのは
原油高に対するコストの上昇が主な原因です。
ですので今後もまだ
株価が下がっていく可能性のほうが大きいでしょう。
再度ここから何か事件が起きたなら
株価でもさらに下落していくでしょう。
投資家に人気がなくなった業種は株価でも下がっていきます。
このときには航空会社の株価は
適正価格以上に値下がりする可能性が大きくなります。
株価が反転して上がっていくようになるには
原油価格が下がって利益が出るようになることが必要でしょう。
原油価格高騰が収まって
企業として利益が出て行くようになるまで待つ時期です。
ですから投資は出来る段階ではありません。
今はまだ投資は控えたほうがいい時期でしょう。
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