イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第508回
元切り上げ観測に対して

アメリカは中国に対して
貿易赤字が年々膨らんでいることに苛立ちを覚え
中国政府に早く中国の通貨、元に対して
切り上げるようにいってきました。
中国政府でも最終的には切り上げなければいけないのは
重々承知をしていました。
最近になり中国政府は切り上げる条件は整った、
後は切り上げを行うタイミングが大事だ、と発言しています。
ではいつ切り上げるかということになると、
市場に投機資金が入っている状態のときにはできないといって
時期に関しては明言しません。
ではこのような状態のときに
私たち日本人は中国株投資に対して
どのような考え方で行っていったらいいのでしょうか。

まず元切り上げの時期に関してですが、
早ければ6月以降、
または年内に行われる可能性である
というくらいで見ておけばいいことでしょう。
問題は元が切り上がったらどの企業が、業種が影響を受けるのか、
また影響を受けない業種は何なのか。
投資ではどのようなやり方で挑んでいったらいいのかです。
また、元が切り上がる前には
どのような投資方法で考えていったらいいかです。

香港市場ではアメリカ経済の先行き懸念、
元切り上げで企業の収益が下がっていく可能性がでています。
B株市場は中国証券監督管理委員会(CSRC)が
国有株など一部の非流通株を
市場に放出させるということを発表したことで
投資家自身が弱気になってきています。

元が切り上がるということは
中国の通貨が強くなっていくということですから
中国から海外に輸出をした場合には
受け取る金額では少なくなりますので
輸出では不利になります。

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元が切り上がると輸出業者はなぜ不利になるか

たとえば1個10円の品物があり、
10個売れば100円のお金がもらえました。
このとき元切り上げで10%元が切り上がった時には
1個の製品価格は9円になります。
10個売っても90円しかもらうことができません。
前のように100円稼ぐには
もう1個多い11個売っても99円ですから
まだ100円には届きません。
また製品には原価があります。
1個作るのに5円かかったとしたら10個で50円かかっていました。
また利益では50円でした。
ところが11個ですと55円かかりますので、
10個のときと同じ利益で考えたときには
45円の利益にしかなりません。
製品を運ぶには船賃や輸送費でも1個分増えますので
そちらの経費も増えていきます。

日本の企業が昔、円高不況となったのも、
いくら製品を作って海外で大量に売っても
その実なかなか利益にならなかったからです。
このような状態が今度は中国の企業にも生まれてきます。
このように製品を輸出している業者は不利な立場に立たされます。
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<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年5月18日(水)

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