第506回
噂(うわさ)
反日デモを契機にして出版物でも
「中国は今後崩壊する」、
また「中国バブルはいつ崩壊するか」という記事を目にします。
内容では
反日デモを中国政府は抑えることができなかったのは
中国政府が社会秩序を維持する力を持っていない証拠である。
実はもう崩壊しているのと同じであり
近々崩壊していく運命にあるのが中国の国家だ。
またほかの記事では、
中国が元切り上げが行なわれれば中国経済は経済失速し、
失業率増大に拍車がかかり負の連鎖が起こる。
もしそうなれば中国で億単位での失業者が増加し、
職を失った人が周辺のアジア各国に人口流動していき
崩壊につながっていく。
――といったものでした。
では実際このような事が中国で起きるのでしょうか。
結論からいえば
このようなことが起こることはまずありえないでしょう。
なぜならいくら失業したからといっても
ビジネスで成功するには
中国本土で行ったほうが手っ取り早いからです。
また豊かになっていっている段階の国の人は
多少のごたごたが起きたからといって
他の国に移住するでしょうか。
日本だってかつては固定相場制から変動相場制に移行した後、
アメリカドルに対して大きく日本円の価値が上がり、
輸出しても利益が出ない場面が何度も出てきました。
日本はそれをバネにして他の国に負けない製品を作り出して
物に付加価値をつけて高く売れるような技術開発力をつけて
成長してきました。
また、日本から海外へ工場を移転させ経営でも強化させています。
バランスの取れた経営能力が必要なのが
企業トップの責任でもあります。
日本の多くの企業が中国に進出していっており
中国の発展とともに
日本の企業も利益を上げていこうとしている段階が
現実でもあります。
中国がこけたら日本企業だって大打撃を受けます。
受けるというよりも世界の経済全体がおかしくなっていくでしょう。
また、反日デモを抑えきらなかったとしても
即中国の崩壊につながるでしょうか。
中国をこぞって他の国に逃げていくものでしょうか。
それだったら1989年に日本がバブル崩壊後の日本人は
こぞって日本を捨てて海外移住をしているはずです。
バブル崩壊後の日本は経済の面では大きくは成長できていません。
だからといって日本民族が全員海外に移住していったでしょうか。
そうはなっていないのが現実です。
<次回に続く>
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