イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第437回
「原油高騰」と株価

原油価格は2002年初頭では
先物取引で1バレルが20ドル台以下でした。
ですが2004年には大きく値上りし50ドル台にまで高騰しました。
その原因としては
発展途上国の中国やインドが大量に消費し始めたために
原油価格も上昇してきたことです。
また、そのような国は原油生産国に対して
自国が発展していく上で常識より多くのお金を支払い
原油を手当てしようとしています。
このことにより高騰してきました。
ですが、原油価格が上昇した原因に関してもほかの要因があります。

まずは原油の先物相場に投機資金が入ってきていました。
発展途上国が今後も成長していく上で必要なのは
原油を使い企業が成長していくことです。
ですので今後
石油の価格が上昇していく可能性は大きくなってきていました。
それを見こした投機筋のファンドや投機資金が
大量に入ったために
原油の先物価格は昨年大きく上昇してきました。
もし、投機資金が入ってこなければ
1バレル当たり10ドル価格が下がっていたともいわれています。
ですがこのことは
石油を採掘している国にとってもプラスだけではなくて
国によっては自国の石油が海外の企業に買われていく事で
自国の石油価格が上昇して生活が苦しくなった国もあります。
そのような国ではデモが起きたり
石油施設を爆破したりもしています。

また石油を供給していく国にとっても
今回の原油値上りで考え方が変わってきました。
原油産出国大手のアラブでは現在の価格上昇は異常であり、
供給量を増やして(増産)価格を引き下げるとしていましたが、
他の産出国との協議では
増産はせず現状維持を行なっていくと表明しました。
これで原油価格は高止まりしますので、
他の産出国やアラブのような国は大儲けができるわけです。

また海外の企業でロイヤルダッチシェルのような企業は
直接産出国に技術供与を行い
そこで出た石油を確保しようとしています。
また、カナダのような国では
まだ多くの原油が埋蔵されていると見て
次のターゲットとしてカナダに進出していく時を狙っています。

今回の投機で儲けた投機筋の資金は数十兆円ともいわれています。
そのような資金は今度は利益を大きく膨らませるために
投資先を探し始めています。
このような投資資金は今度は原油相場で儲けるのではなくて、
直接採掘現場に自前の資金で投資をして
そこから巨額の利益を確保しようとしている
投機筋企業もでてきました。

<次回に続く>



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2005年2月8日(火)

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