イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第377回
1〜9月期決算から その2

高速道路は業種の中で比較的に安定した伸びを示していきます。

・安徽高速道路(コード:0995)
売上高 --- 8億5042万6782元 前年同期比 +35.87%
純利益 --- 2億8139万2684元 前年同期比 +41.67%
同社は中国安徽省内の有料高速道路、
運営管理及び開発を行なっている。

・オルドスカシミア(コード:900936)
売上高 --- 17億2141万717元 前年同期比 +16.55%
純利益 --- 8045万359元 前年同期比 +1.80%
内モンゴル自治区でカシミア製品を生産するの世界最大手企業。

高速道路は業績でも将来安定した成長が見込めます。
ですから投資でも
比較的安心して持っていられる企業が多くあります。
また、配当金でも安定した企業が多い業種です。
安徽高速道路の株価は現在4香港ドル前後です。
PER(一株利益)で見ても20倍前後ですから
H株の中では高い方ですが、
将来順調に業績が伸びていくことを考えますと、
妥当な株価ではあります。

ですが約4年近く前の安徽高速道路株は
2001年初頭には1香港ドル以下でした。
つまりこの4年間で株価が4倍になっています。
高速道路株は地味な業種です。
大きく業績が伸びていくというよりは、
インフラ関連での業種は
ゆっくり成長していくしかできない業種です。
長期投資でしたら
配当金と業績の伸び、株価上昇で狙える業種です。
本来は50%、2倍に株価が上昇したとしても
売却は行なわない方がいいでしょう。
ただし、業種での成長が期待できないときには
例え現在の株価が購入金額より低かったとしても
売却していくしかないときもあるのです。
つまり今の中国の中でその業種がどこまで成長していけるのかで
投資期間を考えてみる投資方法もあります。

オルドスカシミアは紡績・繊維企業で
カシミア製品を中国本土では
「エルドス」ブランドで販売しています。
また、海外にも輸出されています。
特に女性の方でカシミアという名前を知らない方は
少ないのではないでしょうか。
では、同社に対して投資の面から見ていきますと、
投資に関しては注意する必要があると思います。
今後業績では伸びていくでしょうが、
収益率となりますと疑問が残ります。
オルドスカシミアは現在ショッピングセンター内の店舗、
自営の専門店、フランチャイズ加盟店等で
中国国内で販売しています。
また、海外でも米国や日本などを含む
約30カ国でも販売しています。
「オルドス」ブランドでの評価も高く
2010年を目標に世界市場シェアの50%を占めたいとしています。
ですが、同社はこのほかにも
乳製品加工企業や不動産事業、電力会社にも投資しています。
今後の動向を見ていかないと
売上は上がったとしても利益に結びつかない場合も
大いに考えられますのでこの点には注意が必要です。

オルドスカシミアの株価も
2003年には1USドル以上でしたが、
2002年期末決算で
1対1の無償株発行後
(2003年6月に権利落ちでしたので
株価では半分の0.5USドルになっています。)は
現在の株価は0.30USドルを超えた程度ですから
株価では安くなっています。

現在中国本土のB株指数は80ポイント台と
上場企業全体の株価でも安くなっていますので、
同社株も引きずられて安くなっています。
投資を考えるのでしたら
売上の伸びよりも
利益率を注意深く見て検討した方がいいでしょう。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年11月17日(水)

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