第305回
原油高と株価
国際原油価格は8月に入り
ニューヨークの原油先物は44米ドルの高値をつけ
新高値を更新しました。
原油高と上場企業の関係を見て見ますと、
原油を採掘、または販売する企業にとっては
利益が膨らんでいくことになります。
原油を採掘している企業に
香港上場のペトロチャイナ(コード:0857)がありますが
株価では上がってはいません。
また、原油を購入する企業にとって
値上がりは企業利益が減ることになり、
原油を購入している電力各社にとっては
収益が圧迫される要因となっています。
また、原油の高騰は経済にも影響を及ぼします。
原油価格が上がれば企業が事業拡大に慎重になります。
それが国全体に広がったときは
企業の就職率でも雇用の縮小に繋がっていきます。
失業率が高くなれば経済の減速感がでてきます。
国としても経済活性化策として
再び金利が引き下げられることになります。
ですが現段階ではアメリカ経済は拡大傾向にありますので
まだそこまではいっていません。
アメリカでは銀行金利が上昇傾向にありますので、
今月8月に利上げが実施されたときには
香港市場では
再び海外ファンドが
今迄投資してきたお金をアメリカの銀行に戻していきます。
原油価格の高騰、米国に追随した金利引上げ、
および引き続く資金の流出等が続いたときには
株式市場の株価は下がっていく可能性が大きくなっていきます。
ですが金利の引き上げ幅には限度があります。
いずれ景気後退局面がきます。
その時には金利を引き上げて、
今度は景気を活発にしようとします。
銀行金利を引き上げたり下げたりしながら
政府は経済に活力を与え、
安定した経済成長ができるようにする為に
政策変更を国は行います。
ではアメリカでの金利変更は
今迄どの位の期間で金利引上げを実行してきたのでしょうか。
1986年から現在までの米国での金利引上げ期間を見てみます。
第1回目
米国のFF金利は1986年9月の5.88%から上昇し、
1989年2月に9.75%に高値をつけたあとは
引き下げの方向に行きました。
*FF金利とは
アメリカの民間銀行は預金残高に応じて
FRB(中央銀行)に準備預金を積みたてます。
その際民間銀行は資金を短期市場で調達します。
この際の金利をFF金利といいます。
この時の香港市場の動向は、
ハンセン指数は初期の段階では上昇しました。
ですがその後87年には
世界的な株の暴落が発生したために株価指数でも急落しました。
その後は徐々にですが回復してきました。
<次回に続く>
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