イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第286回
収入

沿岸部の9大都市では
月間の世帯収入では1万元を超えている世帯が
多くいるところもあります。

今回訪れた富士高実業がある東莞市では
住民所得の向上が高く
月間の世帯収入では1万元を超えている世帯が
約9%にも上っています。

1万元といいますと日本円で月の収入が約13万円強です。
富士高実業の生産ラインに入っていた従業員の収入は
月給で600元です。
日本円で約8000円程度です。
なぜこのように同社の社員での賃金が安いかといえば
内陸部から優秀な人を雇っており、
数年間働いた人は
また内陸部に戻っていく人が多くなっているためです。
内陸部では所得が低いですから600元は大金です。
ですから今後も内陸部の人が沿岸部にきて働く分には
賃金はそう上がってはいきません。

ですが、東莞市の住民の”9%”が
月収での所得1万元だということを考えますと
とても高い所得になります。
中国の家族は働ける人は全員働きますので、
たとえば1家族で父親、母親、子供の3名が働いたときには
1万元を3で割りますと日本円で4万円強、
元では3000元です。
富士高実業でも技術職の給料は2000〜3000元ですので
この範囲に入ります。

ですが一番利益を上げている人は
国有企業に勤めている人ではなく
民間企業で起業した人たちが多いでしょう。

日本の所得水準とはまだ比べ物にはなりませんが、
今後も所得の伸び率では
国家が計算している以上に早く伸びていくでしょう。

特に沿岸部に住んでいる人たちは
2010年には年収で
日本円で120万円程度の人が多くでてくるでしょう。
統計では出ない所得層が増えていきます。
このことは疑いようのない事実です。
中国の平均年収は現在1万元程度(13万円)です。
ですから日本の所得の約三十分の一程度です。

ですがこの差がどんどん縮まっていきます。
この差が開いているうちに
中国株を購入していくことで
多くの中国株を購入できる立場にいるのが日本人です。
所得の向上に伴い中国の株価も上がっていきます。

このことは日本でも実施済みです。
日本の証券取引所の「日経ダウ」が
昭和40年代では300円、500円だったものが
1991年には3万9000円程度まで上がっていっています。
中国もいずれそうなります。
今すぐにそうなる、ということではなくて
今後10年、20年かけて上がって行く、ということです。
その点も中国の株式市場に投資を考えるときには
計算に入れて投資を考えていく必要があります。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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2004年7月13日(火)

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