イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第214回
中国、公定歩合を引き上げへ

中国人民銀行(中央銀行)は3月25日から
中国の公定歩合の利率を3.33%から0.63ポイント引き上げ
3.87%としました。
なぜ中国は公定歩合を引き上げたのでしょうか。
公定歩合を引き上げるとどういうことになるのでしょうか。

中国の昨年の経済成長率は9.1%と高い伸びを示しました。
そのため一部の業種では景気の過熱感がでてきていました。
特に不動産業界ではマンションや建物が投機の対称になり、
売買されるということも起きてきていました。

今まで中国は景気を上向かせて
市場を発展させようとしてきましたが、
ここでバブルが生まれてしまっては
せっかくの景気も元の木阿弥で沈没してしまいます。
高度成長で経済が発展していくことがいいとは限りません。
経済で大切なのは大きなインフレ、もしくはデフレにならないで
持続的に経済を発展させていくことです。

日本でも1990年代のバブル以前、
定期預金でも金利が7、8%台の高い商品もありました。
ですがバブル崩壊後政府は金利を引き下げています。
日本がなぜ金利を下げたかといいますと、
銀行に集まるお金をなるべく減らして企業の業績を回復させ
安定した経済発展ができるようにしたかったからです。
ですがこの引き下げでも効果はでませんでした。
金利引き下げも功を奏さず、
公共事業でも政府が大盤振る舞いをして予算をつけたのですが
結局は1990年以降バブルの崩壊とともに泡と帰しました。
今まで高かった金利も
とうとう1%以下まで引き下がっていったことが
現実の姿を映し出しています。

中国は1998年7月以降
公定歩合を4回引き下げて経済活性化を行なってきており、
その甲斐あって
ここにきてデフレが収まりインフレへと変わってきました。
ここからは中国政府の腕の見せ所です。
中国政府はデフレにせず
緩やかなインフレで経済成長を遂げたいと思っています。
このような舵取りはどこの国でも行なわれています。

アメリカではアラン・グリーンスパンFRB議長が
今までアメリカの経済をカジ取りしてきたことで
金融市場、株式市場は安定した経済成長をしてきました。
では中国で今後どのような対応を迫られているかといいますと、
中国は今後インフレにしていくことは可能な経済です。
世界のお金は今後も中国に入ってきます。
また公共事業でも今後行なわれる北京オリンピック、上海万博でも
インフラ整備は不可欠です。
ここで中国の通貨元を印刷して国内に発行したら
中国経済自体は高い経済成長をするでしょう。
ですが中国政府がそれを望んでいないことは確かです。
中国は安定した経済成長を望んでいます。
ここで中国と今の日本経済とにおいて大きな違いが一つあります。
日本では経済を上向かせることに対して必死ですが、
中国では
経済を抑えることも必要だということができる立場にある、
ということです。

つまり経済を抑えることが必要なくらいに
国家が発展していっているということです。
日本もかつてそのような時代がありました。
そのような時には
日本の株式市場も右肩上がりで上がってきていた時代です。

つまり中国が今後安定した経済発展をしていく限り
過去の日本の株式市場が成長したように、
中国でも同じことがおきる可能性があるわけですから
投資できる一つのサインとしてみることができます。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


←前回記事へ 2004年4月2日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ