イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第200回
中国内陸部に物流網が加速

日本の大手商社や物流会社が
中国での内陸部に全国輸送網の整備に乗り出しています。
中国ではメーカーの生産拠点が
沿岸部から内陸部に急速に拡大しています。
これにあわせ、長距離輸送に有利な鉄道を活用し、
低コストで迅速な輸送体制を築くのが狙いです。
日本企業では伊藤忠商事が
中国鉄道省参加の物流企業と合弁会社を設立し、
自動車向けの一環輸送網を築こうとしています。
また、日本通運や佐川急便も相次ぎ拠点を拡充する計画で、
三井倉庫、近鉄エクスプレス、山九も拠点整備を急いでいます。

日本の現在の物流輸送量の中で2002年の自動車貨物輸送量は
約3000億トンとなっているのに対して、
中国では6800億トンと
日本の2倍以上の規模に達しています。
今後少なくとも2010年の上海万博までは
高度成長が続くと見られているだけに
欧米大手も加わり競争は激化しています。
日本の企業も今後市場のシェアー獲得のために
参入拡大を目指しているのです。

ですが、現在中国では保税区や香港企業の一部を除き
外資全額出資の物流会社設立を認めていません。
世界貿易機関(WTO)の加盟時の計画では
2004年12月からトラック輸送会社、
2005年12月から国際貨物輸送会社の外資全額出資を認める、
としています。
海外企業はこの規制緩和をにらみながら進出していっています。

中国では日系メーカーの生産拠点が
沿岸部から内陸部に移ってきている理由として
人件費高騰があります。
このために経済開発が遅れている中西部などでも
外資の工場進出が拡大しています。
これは中国の政策とも合致することです。
中国では沿岸部と内陸部の所得価格差が広がっているために
内陸部に進出する企業には
税制でも有利なように特典を与えています。
ここでは2010年の上海万博まで高成長が続くとありますが、
2010年で成長が終わるわけではなく、
スピードは下がりますが、発展していきます。
中国では国土が広い分、発展するのに時間がかかります。
逆に言うと
それだけ投資できる時間がある、ということでもあります。

ここで投資参考業種としては、
鉄道、高速道路、輸送関係企業、不動産企業、
恩恵を受ける小売企業、等です。
業種によって伸びていくスピードは違ってきますが
これらのことを加味した上で
個別の企業への投資を考えていくことになります。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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