第151回
企業業績と株価
香港市場のH株市場の株価は
2001年に入ってQFII期待がでてきました。
QFIIがでてくるということは
中国本土の企業の上場株が将来開放に向かっていくことにおいて
一歩前進したことです。
香港市場のH株と本土市場のA株には
同時上場している銘柄が多いですから
もし一緒になった場合には
同じ銘柄でも中国本土のA株のほうが人気がありますので
高くなっています。
香港のH株は海外の投資家に人気が今までありませんでしたから
株価も安くなっていました。
ですが、QFII期待で株価は同じ銘柄でも株価の安いH株が
将来A株の株価に鞘寄せする形で
上がっていくことが考えられましたので
H株は上がっていきました。
ここではA株とH株の倍率はさらに縮まってきました。
特にQDIIが行われることが確定した
2003年の半ばから上がってきました。
(QDIIはまだ実施されてはいません。)
2001年には株価の差が10倍から3倍もありました。
ですが2003年には高いのでも4倍をきっています。
銘柄によってはA株よりもH株のほうが高い銘柄がでてきました。
ですが銘柄によっては2003年の時の株価が2001年の時よりも
安い企業もあります。
株価の倍率がなくなっているのですから、
倍率で見たら株価も上がっていてもいいはずです。
ではなぜこのようなことになったかというと、
2001年の時の業績がよかったのに対して
2003年の時には業績が落ち込んでいる企業の株が
値下がりしたからです。
(交大昆機科技 、山東新華)
そのほかにも株価が上がっているのに
業績のよくない企業の株価も上がっているのがあります。
それは今回のQDII期待で株価が上がってきている銘柄です。
(東北電気、南京パンダ)
特に株価が上がっている企業の株は
2001年の時よりも企業業績が良くなっている企業です。
(馬鞍山鋼鉄、上海石油化工、 鞍鋼新斬鋼 、
鞍鋼新斬鋼 、安徽海螺)
ですが、銘柄自体に人気のある企業は株価も高くなっています。
(青島ビール)
ここまでを整理してみますと、将来のA/H株統合期待で
A/H株の株価の価格差は縮まったが、
企業業績のよくない銘柄の株価は
2001年の株価よりも安くなっている、ということが見て取れます。
ここから学ぶことは
中国企業の銘柄でも企業業績の悪いものは値上りしない、
ということです。
|