服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第978回
大人電話相談室

さて、これはいったいどう解決したら良いか、
と頭を抱えることはありませんか。
もちろん大問題ではなくて、小問題で、
でも小問題であるがゆえの難しさがあったりする。
長い人生のうちには一度や二度
そんなこともあるでしょう。
いや、私なんか毎日のように
小さな悩みに直面しています。

たとえば隣りの家に愛猫がいる。
その猫ちゃんが時折遊びに来る。
時にはおやつをあげたりする。
可愛いし、隣の人も可愛がっている。
でも遊びに来ていることは知らないらしい。
まあ、そうしょっちゅう来られても困るし・・・。
これまた小さな悩み。

あるいは悩みというのではなく、
聞くに聞けない疑問というのもあります。
たとえば北前船。
「きたまえぶね」なのか「ほっこくぶね」なのか。
どちらが正しいのか、あるいはどう違うのか。―
こんなことはとても人には聞けませんよ。
子供なら聞けますね。
でも、大人であるからこそ、聞くに聞けない。
本当にちょっとしたことなのですがね。

こんな時に「大人電話相談室」があったらいいなあ。
ただし非公式で。
マン・トゥ・マンで。
時と場合によっては匿名というのも良いかも知れない。

<もしもし、コナン・ドイルの
  ミドル・ネームって何でしたっけ?>

なんてことが突然聞けて、
教えてもらえたらいいなあ。
余談ですが、ドイルのミドル・ネームは“コナン”。
フル・ネームは
“アーサー・コナン・ドイル”ですから。

これに似たことはよくあります。
冷静に考えれば誰にでも解決できるのですが、
ちょっとあわてたりすると、
頭が混乱してわけが分らなくなってしまう。
だから「困った!」「分らない!」になってしまうのです。
もしも「大人電話相談室」があったら、
たいていの問題は、電話で、
誰か相手と話をしているうちに、
自分自身で解決することもあるわけです。
それにしても「大人電話相談室」があるといいですね―。
12月16日「水魚の集い」では
ざっとそんな内容のお話をさせて頂いたのです。


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