服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第961回
大人のゆたかさはウール・タイから

ウールのネクタイを結んだことがありますか。
今こそウール・タイを結ぶのに、
絶好のチャンスではないでしょうか。

ごくふつうに「ネクタイ」といった場合、
誰もがシルク地のネクタイを思い浮べるでしょう。
光沢が美しいし、結ぶ時や解く時にも、
なめらかに滑ってくれるからです。
絹ネクタイの長所を数えればキリがないでしょう。

でも、ウーステッド地以外の
ジャケットやスーツの時には、
ウールのネクタイという選択があっても
良いのではないでしょうか。
たとえばフラノ、ツイード、コーデュロイ・・・などなど。
まず第一に、フラノなどの質感と
ウール・タイの質感とが、
当然のことながら
よくマッチするではありませんか。
どんな時でもネクタイはシルク、と
頭から決めてかかることはありません。

そのつもりになって探してみると、
ウールのネクタイは結構あるものです。
時にツイードやベルベット、
あるいはスエードのネクタイもあるほどです。
あるいはもっと一般的なところでは、
ウールのニット・タイがあるでしょう。

さて、ウールのネクタイ。
誰もが最初はいかにもウールらしい、
ダークで、渋い色調を選ぶ傾向があります。
が、ウール・タイでおしゃれをするなら、
なるべく明るい色柄を選びましょう。
少し極端な話をしますと、
絹のタイで白無地だとすると、
かなり気障になってしまいます。
ところがウールの白なら、
それほど抵抗なく結べるはずです。
これはシルクとウールが持っている、
基本的な質感の違いからくるものです。

シルクではとても結べないような色でも、
ウールならかなり上質にあしらえるという
利点があります。
さて、ウール・タイの結び方は、
必ずプレーン・ノット(一重結び)にして、
固く締めないこと。
あくまでもゆったりと、柔らかく結ぶ。
それでもウール・タイは
けっしてゆるんだりはしないからです。
さあ、ウールのネクタイで、
ゆたかなVゾーンを表現しましょう。


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