服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第853回
雨を楽しむ魔法のスプレー

雨の日の対策はなにか考えていますか。
やはり一番の問題点は、靴でしょう。
濡れた靴の手入れはなかなか面倒ですから。
私は原則として
雨降り専用の靴を履くことにしています。
しかしそれでも雨の日が苦手であることには
変りありません。

ひとつの方法として、
防水スプレーがあります。
靴の上から防水スプレーを吹きかけておくと、
透明の皮膜をつくってくれることにより、
ある程度は雨を弾いてくれます。
私もこれまで
さまざまな防水スプレーを使ってきましたが、
今のところドイツ製の「コロニル」
(1本 1575円)というのが
優れているのではないかと思います。
「東急ハンズ」などで入手可能です。

換気の良い所、
あるいはベランダ、戸外などで、
約30センチほどの距離から万遍なくかければ、
あとは乾けばすぐにでも使えるでしょう。
もちろん雨の量や濡れる時間によっても違いますが、
それなりの効果はあります。

実は靴が水に濡れること自体は
それほど問題ではありません。
問題は水が革の中にしみ込むことです。
水を含んだ革は変形しやすいからです。
万一、水が革にしみ込んだ場合には、
まず第一に型崩れを防ぐこと。
その上で、どうやって自然に、
水分を吸収させるかを考えて下さい。
ごく乱暴な話をすれば、
手入れの悪いせいで、
思わぬシワが入ってしまった靴は、
わざと雨の日に履く。
で、濡れた後、
木型などを入れて形を整えれば
シワは消えます。―
それ位、水分は革にとって
大きな影響を与えるものなのです。

濡れた靴でもうひとつ忘れてならないのは、靴底。
レザー・ソールも水分を含んでいるわけですから、
吸水性のある紙などの上に置いて、
時々これを取り替えるようにしましょう。
そして完全に水分が抜けるまでは、
その靴を履かないことです。

「コロニル」は靴だけでなく、
レインコートや上着、
さらにネクタイなどに使うこともできます。
スープなどでネクタイにシミをつける心配は
半減することでしょう。


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