第821回
珈琲のパラダイス
美味しい珈琲の条件が何であるか、
知っていますか。
そばのほうでは「三(さん)たて」と言いますね。
挽きたて、打ちたて、茹でたて。
これと似たようなことが、
珈琲にも言えるのではないでしょうか。
炒りたて、挽きたて、淹れたて。
これを珈琲における
「三(さん)たて」と言って良いでしょう。
炒りたての豆を使って、
挽きたて、淹れたてを飲むのが美味い。
これはもう理想というものでしょう。
挽きたて、淹れたては
それほど難しいことではない。
ミルを使って好みの細かさに豆を挽き、
ドリップなりエスプレッソなりで、
淹れればよろしい。簡単至極。
けれども炒るというのは難しい。
専門家が1台何百万もする機械を使って行う。
これを焙煎(ばいせん)と言います。
珈琲豆の種類と質によって焙煎方法が異なり、
また浅炒りが良いか、深炒りが良いか、
好みの問題もあります。
焙煎はそう簡単に出来るものではありません。
たとえば浅炒りから深炒りの順に、
次のような種類があります。
ライト・ロースト、シナモン・ロースト、
ミディアム・ロースト、ハイ・ロースト、
シティ・ロースト、フルシティ・ロースト、
フレンチ・ロースト、イタリアン・ロースト・・・。
ところが、なのであります。
最近、焙煎したての珈琲豆を
売る店を発見したので、報告致します。
「パライッソ」(TEL 5731-6774)。
むろん珈琲豆の専門店です。
一隅に試飲コーナーもありますから、
実際に飲んでみて、
気に入った豆を買うことができます。
「パライッソ」はスペイン語で
「楽園」の意味だそうです。
この店で面白いのは、
焙煎直後の豆と生豆(きまめ)とを
セットにしてくれるのです。
で、焙煎豆を使い終えたなら、
今度は生豆(きまめ)を持ってゆく。
と、それをその場で焙煎してくれるシステム。
なるほどこれならたしかに
珈琲の「三(さん)たて」が可能ですね。
生豆(きまめ)はさておき、
焙煎豆は酸化しやすいものですから、
少量といえども、
真空に近い状態で保存するのが理想的です。
|