服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第768回
気持の良い靴下

今、どんな靴下を履いていますか。
足首のところに
「ワンポイント・マーク」が入っていますか。
俗に「ワンポイント・マーク」と言いますが、
正しくは“スイス・クロック”
(スイス風の刺繍)の呼び名があります。

そもそも編物は
靴下からはじまったのではないか、
という説があります。
それはともかく、靴下を編む時、
足首のところで編目の増減を行います。
むかしの編み方では
どうしてもここに段差が生まれる。
そこでこの段差を美しく装飾するために、
刺繍がほどこされたのだそうです。
たしかに中世の王様の見事なストッキングなどを見ても、
足首に刺繍があしらわれていることが
珍らしくありません。
ついでながら、爪先部分は開放して編み上げ、
その後に縫い合わせて完成させる。
この縫い合わせることを“リンキング”と言います。
今では、もしリンキングの線が入っているようなら、
比較的高級な靴下と考えて良いでしょう。

ところで「ワンポイント・マーク」に
話を戻しましょう。
メーカーやブランドによって、
実に様ざまな模様があしらわれます。
けれどもこれが自分のイニシャルなどであったら、
どうでしょうね。

この間、偶然に
「DAN」(TEL:5252-7727)という
靴下専門店を見つけました。
紳士靴下専門店ですから、
いろんな靴下が揃えられていて、
値段も800円位からありますから、
決して高いとは言えないでしょう。
そしてここの靴下にはすべて
「ワンポイント・マーク」が入っていない。
もしも希望があれば無料で、
その場で、好みのマークを入れてくれるのです。
もちろんたいていは
アルファベットの頭文字なのですが。

またこの店では、
靴下のオーダーも可能なのだそうです。
もう少しサイズの大きい靴下が欲しい、
もう少し丈長の靴下が欲しい。
2足以上から注文可能で、
約2週間ほどで仕上げてくれるそうです。
色や柄もさることながら、
自分の足と脚にぴったりフィットしてくれる靴下は
気持ちの良いものです。


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