服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第665回
シルクのガウンを親友にしよう

ふだんの生活のなかで
バスローブを使うことがありますか。
たしかに風呂上りのバスローブは便利なだけでなく、
実に心地良いものです。
本当はシャワーの後などで、
濡れた身体をバスローブで包み、
まるでタオルのように
使ってしまうものなのだそうです。
でも、根が小心者ときている私としては、
とてもそんな大胆な使い方はできないのです。

結局のところ
日々の暮らしの必要度からすれば、
私の場合ガウンのほうがはるかに高いのです。
正しくは“ドレッシグ・ガウン”とか
“ナイト・ローブ”と言うべきでしょうが、
ローブやガウンだけでも意味は通じるでしょう。

朝起きてすぐにミルク・ティーを飲む。
そんな時にも不精な私は
パジャマの上にガウンを羽織ったままなのです。
オートミールを食べる時にもそのままの恰好です。
どうかお許し下さい。
とにかく家で寛ぐ時にはガウンが欠かせない。
もしかすれば
もっとも着用時間の長い衣裳であるかも知れません。

いつもの私のガウンは
薄いコットンの縞柄なのですが、
今度はぜひシルクのガウンを新調しようと考えています。
無地か水玉か、ペイズリー柄か。
シルクのガウンなら一年通して使えるでしょう。
もし2着あれば、交互に着ることもできるでしょう。

もしもシルクのガウンにしたなら、
思い切ってシルクのパジャマにしよう。
つまりシルクのパジャマの上に
シルクのガウンを羽織るわけですね。
これは軽い。
これは気持が良い。
あるいはバスローブを素肌に羽織る以上の
快感かも知れません。

朝、新聞を読む時にも
シルクのガウンで良いではないか。
ただしここにひとつだけ加えたいものがあります。
絹のアスコット・タイ。
パジャマの上から、軽くアスコット・タイを結ぶ。
するとガウンの首元には
アスコット・タイがのぞくわけです。
家の中であれば、これで良い、と私は思います。
楽で、気持ち良く、
しかもおしゃれ心は忘れたくないのです。


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