服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第621回
魅力があなたにやって来る

ブレスレットはお好きですか。
ブレスレットに限らず、
ゴールドやシルバーなどのアクセサリーについては
抵抗のある人もいるでしょう。
つまり“ジュエリー”と呼ばれる種類のものですね。
私自身はブレスレットもリングも
日頃から身につけています。

ブレスレットは文字盤のない腕時計である、
と考えればほとんど抵抗はないでしょう。
事実、左手首に、腕時計に添えて嵌めるのは、
もっともさり気ない使い方です。
この場合、腕時計に使われている金色(きんしょく)や
銀色(ぎんしょく)に合わせるのがコツでしょう。

こんなふうに一度ブレスレットに親しんでみると、
必ず愛着がわき、好きになってしまう。
たまに外したりすると、
なにか忘れ物をしたような気持になってくるほどです。
ブレスレットにだけでなく、
たいていのジュエリーはこのような傾向があります。

ブレスレットのデザインによっては、
小さな飾りが付いていることがあります。
あれを“チャーム”charm と言います。
「魅力」という時の“チャーム”です。
“チャーム”はもともと「魔力」という意味があり、
なにかを身につけることで、
お守りになってくれる、
という考え方がもとになっているのです。
だからこそ「小さな飾り」と「魔力」とが
まったく同じ言葉なのです。

私ごとですが、尚三(しょうぞう)は
「小象」につながりますね。
そこで私は勝手に小さな象のかたちが
ラッキー・モチーフだと考えています。
つまりどこかに小さな象のかたちがついていれば、
護符になってくれる。
まさしく“チャーム”なのです。

そんなふうに考えれば、
ブレスレットもリングでも、
単なる飾りではないのです。
運を呼び込み、
自分に自信をつけてくれる、
魔除けなのです。
まずは自分自身のラッキー・シンボルや
ラッキー・ナンバーなどを決めて、
愛用のブレスレットにそっと彫り込んでおくのです。
これでもう魔力(チャーム)はあなたのものです。


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