服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第614回
黄金色のボールペン

メタリック・ボールペンというのを知っていますか。
読んで字のごとく、
金属的な美しく光り輝く文字が書ける
ボールペンのことなのです。
私はボールペンの最新事情にうといので、
それはもう常識になっているのかも知れませんが。

犬も歩けば棒に当ると言いますが、
銀座のソニー・プラザ
(TEL:3575-2525)で見つけたのです。
1本210円。
教えて頂いた3穴のルーズリーフ・ノートを
買いにいったのです。
ちゃんと1冊450円で売っておりました。
有難うございます。
その時、ふっと目をあげると、
きらきら光るボールペンがあったのです。

ゴールド、シルバー、パープル、イエロー・・・。
ふつうのボールペンでは
あまり見かけない色ばかり並んでいるのです。
で、私はとりあえず
ゴールドのメタリック・ボールペンを手に入れたのです。
当然、書いてみた。
かなり面白い。
まず第一に、本当に金属的に光る文字になるのです。
ごく自然な、金色の文字。
紺や黒の台紙に書いてみると、実に美しい。
第二に、紙だけでなく
布や革をはじめとして
たいていの場所に書けてしまう。
さらに長時間キャップを外しておいたとしても、
インクが乾かないのです。

ちょっと見たところアメリカ製のようです。
ボールペンといえばアメリカ、
という思い込みがあるからです。
ボールペンがはじめて市販されたのは、
ニューヨークの、ギンベル・ブラザーズ社でありました。
1945年10月29日のことです。
1本、12ドル50セントの値段にもかかわらず、
爆発的な売行きとなったそうです。
発売者、ミルトン・レイノルズは
1ヶ月で50万ドルの利益をあげたと伝えられています。

しかしこのメタリックは日本製、ペンテル社
ただし輸出用で、それが逆輸入されて
ソニー・プラザに並んでいたというわけです。
ゴールドのボールペンを手に、
濃い紙を探しつつ、なぜか
今幸福な気分になっているところなのです。


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