服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第425回
250円の美味しい贅沢

ロブションのパンを食べたことがありますか。
正しくは「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」
という名のレストランです。
今やすっかり東京名所のひとつになった、
六本木ヒルズの2階にあります。
「ロブション」はパリ店とほぼ同時に開店となって、
開店から今に至るまで
行列がたえることがありません。
基本的に予約を受けないからです。

でも、店の脇にあるパン売場では
行列することなくパンが買えます。
またこのパンがなかなか美味しい。
もっともパンは人それぞれひいきがあります。
Aという店のパンでなければ、
あるいはBが絶対いちばん美味い、
さらにはC以外食べたことがない。
これはもう十人十色。

それはともかくとして
「ロブション」のパンは面白いのです。
食事に行くと、小さなバゲットを出してくれます。
ごくふつうのフランスパンを
10/1くらいの大きさにしたミニ版で、
最初に出会うと、自分がまるで
ガリバーになったような気分に誘われ、
笑い出してしまいます。
天才料理人、ロブションの遊びであり、
工夫であり、発明であります。
フランスパンはがうまい。
そしてミニ化することで
全身?これすべて「皮と身の間」になってしまうのですから。

この極小バゲットは
レストランでしか食べることが出来ません。
でも、もう少し大きいスペシャル・バゲットは
パン売場で買えるのです。1本250円。
まず第1回の焼上りは午前11時頃。
休日の朝、ゆっくりと歩いて「ロブション」に行く。
11時すぎに着いて、
焼きたてのスペシャル・バゲットを買う。
まず1本は家へ帰るまでの間に食べ、
家へ帰ってからランチに添えてまた1本。
なんとも楽しい。
まん中から2つに折って、
なんにもつけないでも美味しく食べられる。

もちろんミニ・バゲット以外にもさまざまな種類があり、
売れてゆくそばから焼上るので、
いつでも美味しいパンが買えます。
ついでながらこの店のケーキも絶品ですよ。
「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」の電話は
5772-7500です。


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