服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第416回
スエードの着こなし

スエードの語源を知っていますか。
スエードの帽子やスエードの靴、
スエードのジャケットもあります。
要するに裏革のことですね。
“スエード”は英語で書くとsuede。
これはそもそもフランス語からきたものです。

suedeは「スウェーデン」の意味。
国の名前、スウェーデンから
“スエード”の言葉がはじまっています。
その理由は手袋にあったのです。
“ガン・ド・スエード”の言葉がはじまっています。
その理由は手袋にあったのです。
“ガン・ド・スエード”「スウェーデンの手袋」を略して
“スエード”の言葉が生まれたのです。
上質の、仔山羊の革を美しく仕上げた、
スウェーデン製の手袋。
これがフランスで人気になったので
“スエード”が一般化したわけです。

つまりもともとは、手袋用の、仔山羊の革を
まるでビロードのように仕上げた良質の革を指していたのです。
私もひとつだけ、スエードの服を持っています。
深いワイン色のチョッキ。
前開き式で、小さなボタンが6個つき、
背中は同じ色のニット地になったデザイン。
秋も深まりはじめると、
上着の下にこれを着ることがあります。

スエードの上着やブルゾンは高価ですが、
ヴェストならそれほどのことはありません。
たいていの服に組合わせることができ、
控え目なおしゃれが楽しめる。
しかも実際に着てあたたかいのです。
上着のなかにほんの少しだけのぞく
スエードのヴェストは
まるで布地のような印象を与えるもので、
レザー・ヴェストなどと較べても、
はるかに抵抗が少ないでしょう。

あえてスポーツ・シャツにニット・タイを結び、
好みの色のスエード・ヴェストを合わせてみる。
こうすれば時と場合によっては、
上着なしでも独自のスタイルが完成するはずです。

ヴェストに限らずスエードの欠点がひとつだけあります。
汚れたり、ケバが倒れたりすることです。
こんな時には消しゴム(砂消し)を上手に使って下さい。
丁寧に消しゴムを使って、その後をブラシで整える、
不思議なほどきれいになります。


←前回記事へ 2003年11月22日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ