服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第324回
わが最上のごちそう

パンを焼いたことがありますか。
私、この間はじめて挑戦しました。
思いのほかうまく仕上りました。
自分の思い通りに焼いたパンを、
食事の時間に合わせて食べるのは楽しいものです。
私なりの焼き方をご紹介しましょう。
好みはさておき、とりあえず
パンが焼き上ることだけは間違いありません。

粉300gに対してイースト6gを用意する。
粉は強力粉ですが、
私としてはライ麦パンがイメージなので、
4割ほどライ麦粉を混ぜてみました。
これにぬるま湯を1カップ加えます。
それから砂糖小さじ2杯加えることも忘れないように。

これで基本材料は揃いました。
あとは木の台の上でただひたすらに、練る。
むかしやった泥んこ遊びを思い出して下さい。
あるいは陶芸の粘土づくりに似ているかも知れません。
よくこねてから、たたきつける。
ざっと100回ほど練る、と言われているのですが、
この過程がストレス発散になる人もいるでしょう。

100回ほど練ったら、塩小さじ1杯と
オリーブ油大さじ1杯を加えます。
パンはふつうバターを使うのですが、
私の場合はオリーブオイルにする。
これらを加えたなら、ふたたび50回ほどこねる。
パン生地が美しい光沢を放ちはじめたなら、もう結構。
パン生地をボールに移してラップをかけ、
30度の温度で約40分寝かせる。

さて、2倍くらいに大きくふくらんだら、ガス抜き。
手でつぶして、自分の好きな形に整えます。
私はそのまま楕円形とし、
表面に包丁で切目を網目状に入れる。
この状態でさらに20分ほど寝かせる。
さあ、これであとはもう焼くだけ。
200度のオーブンで約40分ほど焼いて、完成。

よく焼きたてのパンと言いますが、
本当は熱すぎて食べられません。
私は1時間ほど後のほうが
いちばん美味しいと思います。
自分で焼いたライ麦パンに
オリーブ油を少しつけて食べる。
あとはワインとチーズがあれば、
もう何もなくても最高のごちそうになりますよ。


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2003年8月22日(金)

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