服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第223回
「一日一快」のすすめ

腹の底から大笑いしたことがありますか。
きのう一日のうちでなにかありましたか。
おとといはどうでしたか。
残念ながら私自身は、ここ最近のうちで、
大喜びをした日がいつのことであったか、
すぐには思い出せません。
笑いは健康のもと、幸福の源。
せめて1日に1回は大笑いをしてみたいものです。

大笑いにつながるかどうか、
私はときどき空想ごっこをして遊ぶことがあります。
たったひとりで、好きな時間に、
好きな空想をして楽しむだけのことですから、
お金も時間もまったくかかりません。
空想ごっこ?それは面白いなあ、
という好奇心を持つか持たないかの話しですが。

空想ごっこは、自分の頭のなかだけで
好き勝手なことを想像して楽しむだけのことですから、
誰かに迷惑がかかるものでもありません。
要は自分が気のすむまま
愉快に楽しめるテーマを選べば良いのです。

たとえば自動車を空想して楽しむとしましょうか。
夢想と言ってもよいかも知れませんね。
今、ここに使いきれないほどのお金があるので、
自動車を注文で作らせてみることにする。
まず、ボディはどこの誰にデザインをさせようか、作らせようか。
まさかエンジンから作るわけにいかないので、
注文のボディにどこのメーカーのエンジンを乗せようか。
少しはパワーアップさせておいたほうがいいかなあ。
車の色をどうするか。内装の色はどうするか。
レザー・シートはどこのメーカーにしようか・・・。

これで30分や1時間はすぐに経ってしまうでしょう。
夜、なかなか寝つかれない時にはもってこいです。
あるいはまた自分が総理大臣になって、
大蔵大臣は誰にしようか、
文部大臣もなかなか重要なポストだしなあ・・・
と空想する人もいるかも知れません。
とにかく、空想のあとで、
自分が楽しくなればそれで良いのです。
さらには大笑いするようなことにもなるでしょう。
私はこれを「一日一快」と名づけて、
ひそかに楽しんでいるのです。


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2003年5月4日(日)

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