服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第216回
美しい名刺を作りましょう

ご自分の名刺を持っていますか。
こう尋ねると誰もがけげんな顔をするでしょう。
名刺?当り前じゃないか、と。
でも、実際には自分の名刺を持っている人は、
ごく少数だと思います。

たいていの場合、名刺はビジネス・カードであって、
会社の名刺なのです。○○会社の何野誰兵衛・・・。
もちろん仕事関係の場合、
ビジネス・カードの名刺を使うのは、当り前でしょう。

けれども私がここで言いたいのは、
純粋に個人的な場合に限って使う場合の、名刺。
オフィスや仕事を離れての、
個人的なおつき合いのなかで、
会社名や肩書とは無関係の、
個人用名刺を用意していることは、
すばらしいことではないでしょうか。

たとえば趣味のサークルや、
ボランティアの集まりの時に、
プライベート専用を持っているのは、
美しいことだと思います。
大会社の所属であるかの否か、部長であるか否かは、
まったく関係ないことなのですから。

純粋に個人用の名刺なら、
いっさいの制約はないのです。
もちろんだからといって、赤い紙にするとか、
三角形にする必要はありませんが。簡素にして、上品。
けれども紙質やレイアウト、
活字デザインを工夫する楽しみはあるでしょう。

まず肩書は必要ないでしょう。
名前と住所、連絡先など。
単純といえば単純ですが、
それだけにデザインが難しいと言えるかも知れません。
たとえばほぼ中央に氏名、脇に住所、電話など、
私の好みとしては昔ながらの活字印刷が好きです。
指先でさわったりすると、わずかな凹凸感があったりして。
自分専用の名刺ですから、
どこかに自分の好みが反映されていて良いのです。

実際に作ってみると、これは便利ですよ。
たとえばちょっとした贈物をする時などにも、
名刺の空白にひと言添えたりします。
昔は、友人宅を訪問して不在だった時にも、
そんなことをしたものです。


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2003年4月27日(日)

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