服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第104回
昼間のちょっとしたドレスアップ

シルバー・グレーのネクタイを締めたことがありますか。
実際には少ないのではないでしょうか。
もし、締めたことがある場合には
かなりおしゃれな人だと思います。

たとえば結婚式の黒い服に
礼装用ネクタイを結ぶことがあります。
でも、あれはほとんど白で、
日本だけの特殊な風習ではないでしょうか。
ドレス・アップ、それも昼間の礼装を演出したいなら
やはりシルバー・グレーのネクタイでしょう。

では、シルバー・グレーとは何か。
これが問題です。
これは文字通り艶消しの銀色、
またはプラチナの色と理解すべきです。
生地はもちろんシルクで、なにも単色での表現とは限らず、
ミックス調の織柄で、
全体としてはシルバー・グレーとなるものでも良いのです。
端的な例をあげるなら、白と黒の小さな千鳥格子で、
少し離れるとシルバー・グレーに見える。
このようなネクタイでも
もちろん昼間のドレス・アップに使えるものなのです。

ある程度、大人で、社会的地位のある人は
必ず1本は上質のシルバー・グレーのネクタイを
用意しておくべきでしょう。
繰返しになりますが、
ちょっとした昼間のドレス・アップには
大いに活躍してくれます。

ドレス・アップだからといって
必ずしもブラック・スーツである必要はありません。
簡素なダーク・スーツで充分です。
もしそれが黒に近いグレーやブルーなら申し分ないでしょう。

白いドレス・シャツにシルバー・グレーのタイを結ぶ。
あとはもうダーク・スーツを羽織れば、
どんな場面でも通用するはずです。
それほどにシルバー・グレーのネクタイは
効果的な小道具なのです。

シルバー・グレーのタイを結ぶと、
ついパールのネクタイ留めを飾りたいものです。
でも今はあまり流行りません。
むしろヴェスト(チョッキ)を着ることによって、
ネクタイ全体のボリューム感を演出することを
おすすめします。


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2003年1月5日(日)

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