服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第5回
無用の靴を一生物にするために

靴の手入れについて。といえば
誰しも靴を磨くことを考えるでしょう。
でも実際は、磨くよりももっと大切なことがあるのです。
それは型崩れを防ぐこと。
この型崩れを完全に防ぐことが出来たなら、
必ずや一生物となってくれるでしょう。

当然のことですが、靴は履くとかすかな皺が出る。
この皺をそのままにしておくと、
永い間には傷のようになり、最後には亀裂が入ってしまう。
こうなると修復が不可能になってしまうのです。
結局は捨てられる運命をたどる。

型崩れを防ぐためにあるのが、木型(きがた)。
シュー・トゥリーとかシュー・キーパーと
呼ばれることもあります。
金属型やプラスティック製もありますが、
本格的なものは木製です。
なかでも桜材のシュー・トゥリーが
理想的だと言われています。
しかし私に言わせれば、材質はなんでもよろしい。
木型を入れないことに較べれば、
とりあえず何であれ入れておくことをおすすめします。

1日靴を履いたなら、すぐに木型を入れて
3日間ほど休養させてやると、靴は本当に長持ちします。
底や踵は修理すれば良いのですから。
因みに私はいつもユニオン・ワークス(03-5448-2482)で
直してもらっています。

つまり手持ちの靴の数だけ木型の数が
必要だということになります。
でも、ここでそっと奥の手をお教えましょう。
木型の代用として古い新聞紙を応用する方法があります。
新聞紙をオニギリのように丸めて、これを靴の中に入れるのです。
爪先のほうは小さく、中央部分は大きく丸める。
爪先には一枚の半分くらいで良いでしょう。
少し慣れてくると、2、3分で靴が元通りに
復活する木型(紙型?)がつくれるようになるはずです。

新聞紙ですから吸湿性にも優れていますし、
軽く、嵩張らず、捨てても惜しくはありません。
これは旅先でも活用できるものです。


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